【終の病】アンリ=ロゼ【第4期】

螭野 百々丸
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名前:アンリ=ロゼ
性別:♂
年齢:30
種族: ya彡ጘ彡
一人称:俺
二人称:お前、あんた・〜さん(年上)
所属国:月の国
奇病数【2】
深夜に現れる盗賊のlヤlミlラlミl
何の足音もなく宝石を主にした金品を盗み出し、早朝の前には食べた宝石のかけらを残していくという性悪な男
自分好みの宝石を見つけたら、他国だろうが深夜に忍び込んで朝が来る前に奪い去ろうと考える強欲ぶり
現れる時間帯とゴーストならではの技で、警備の目を掻い潜っては忍び込んでいるので誰も捕まえるどころか姿をはっきり見たことがないという
奇病や運命の番については、存在は知ってはいるが興味はないといったところ。
奇病に罹ったら罹ったで死ぬ前にたらふく宝石を食べられたらそれでいいと思っているし、それ以外のものに自分が関心を持つことはないだろうと思っている。

こちらの企画様【illust/101528139】における3体目の子です

【追記】
6/17 素敵なご縁ができました♡
サジタリウスさん[呼び方:サジ、サジタリウス(運命の番になった後)]illust/108489661

ある日の深夜の事だった。

港が近い宝石店にて、俺はいつものようにヒト目を掻い潜って目星を付けていた宝石を盗ろうとしていた。
ソレに手を伸ばそうとした時、どこからか水の中から何かが打ち上げられたような音がした。
警備が潜んでいやがったのかと思い、俺は咄嗟に宝石を盗ってずらかろうとした。
外へ出ようと窓まで走ったら、デッカイbrngrの女と眼があった。

月光に照らされ、真珠のような水滴を纏っていたソイツは見とれちまうぐらい綺麗だった。
その姿に俺は思わずポツリと声を漏らした。
「なんだ、こんな綺麗な同業者がこの世にいたのかい」
今思えば、俺はソイツに「一目惚れ」っつーやつをしちまってたのかもしれねぇ。

ふと我に返った時、ソイツが俺の盗んだ宝石を狙っていたことに気づいた。
少しからかってやろうと思い、欲しけりゃ捕まえて来いと言わんばかりに俺は向かっていた所とは別の方へ駆け出し外へ飛び出した。

悪としての性分だからか、俺はヒトが悔しがる顔やガッカリする顔を見るのが大好きだった。
せっかく厳重に警備をしたにもかかわらず、宝物を奪われた挙句食べられたことを知った持ち主や警備共の顔を見たり想像したりするだけで心が満たされた。
偶然初めて出会った怪盗サンに対しても、「コイツが嫌がることをして、その反応を楽しんでやろう」という気持ちだった。

奴が追いついてきたところを見た俺は、口角を上にあげてソイツの目の前で
「お目当てのモノはコイツかい?でも、残念だったなァ?」
と盗んだ宝石をチラつかせて、それをバリボリ食ってみせた。
思った通り、女怪盗サンは驚いた顔を見せた後キィキィと悔しそうな声を上げた。あまりにも愉快で笑いが止まらなかった。
とてもいいモンが見れて満足した俺は、去り際に「またどこかで会おうぜ、オネーサン」と別れの挨拶をしてトンズラした。

出会ってからしばらく経ったある日の晩、足音を消して屋根の谷を駆けていた時だった。
ふとヒトの気配を感じた俺は、走りながらも周りを見渡した。
そしたらこの前出会った女怪盗が、俺の方へ向かっているのが目に見えた。
まさかの再会に嬉しく思い、挨拶として声をかけてやった。
「よォ、こないだの怪盗のオネーサン。ここで会うとは奇遇だなァ。俺に会いにでも来たのか?」
そう言った途端、奴は顔を赤くして怒り散らかした。コイツは相当からかい甲斐のある女だ。
反応と怒りに満ちた声色から、どうやら俺のことをかなり警戒している様だった。
そりゃあ目の前でお目当てのモン食われちまったら、そうなっちまうのもしょうがねぇわな。

目的地に着く前に俺はこちらを睨みつけてくる怪盗サンに名前を聞いた。
同じ盗人の名前を覚えておかなきゃ損するかもしれねぇしよ。
「ふーん…長ぇから"サジ"でいいか?呼びにくいし…そんなカッカすんなよ、せっかくの美貌が台無しになっちまうぜ?」
「俺か?俺の名前は"アンリ=ロゼ"だ、どっちも自分で着けた名前だからアンリでもロゼでも構わねぇぜ」
軽く名乗った後、探していた宝が眠っている屋敷を見つけた俺らは「どっちが先に手に入れるか競争だ」と言ってそこへ向かった。
途中で見つかっちまうというハプニングが起きちまったが、せっかく生まれて初めて出会えた同業者を捕まえられてたまるかと奮起した俺は技を駆使して追手共の足止めをした。
サジの奴も別方面から来ていた警備員を追っ払っていった。コイツもコイツで俺の事を捕まえさせたくないとでも思っているのかねェ。
「…全く、とんだイイ女だ」
誰にも聞こえないくらい小さな声でポツリと呟いた後、逃げるときに使っている"近道"を発見したのでサジをそっちに案内して俺達は逃げ切った。

何度か会うようになったある日、サジはいつもよりイラついていた。どうやら運命探しだの運命の番だのの色恋話をあちこちで耳にしたかららしい。
聞き流しゃあいいだけの話だろうと言ったら、持たざる者の嫉妬だという。
それを聞いて俺はある事を思いついた。
「だったら俺と一緒に深夜の宝石泥棒の旅をしねぇか?誰もが寝静まっている時間帯に色恋話をする奴なんて外にいないだろうしよぉ。もちろん、こっちからそういう話は一切しねぇよ」

ある夜、俺はまさかの光景を目にした。サジが盗ってきた金品を他の奴らに分け与えていたのだ。
俺の気配を察した奴は誰にも言うなとテンパりながら言った。その様に思わず笑みがこぼれた。
「安心しろ、誰にも言わねぇからさ…ただし俺の分も渡してくれたらな」

旅をし続けていた俺は、ある事に気づいた。
初めは同じ盗賊として興味を持っていただけだったが、いつの間にかこの女に惹かれている事に。
「…『運命の番』のことはよくわかっちゃいねぇが、俺はそれがあんただったら良いと思っている。宝石以外で興味を持ったのがあんたが…サジタリウスが初めてだ」
もしかしたらガキの頃から大事にしてるバンダナの送り主って…まさかな

数年後、俺達は変わらず盗みを続けていた。…子を連れながらという点を除いて
チビ共にも仕事を覚えてもらわねぇとな

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2023-06-11 14:07:55 +0000