ニルスの不思議な旅 ~少年は再び、そして新たなる旅に出発する~

W.M.R.

 3月は、卒業、転勤、引っ越しなど、別離(わかれ)のシーズンです。
 3月下旬になりまして、各地で桜の開花が発表される時期にもなりました。

 そして、週明けから1週間は丁度、修了式または卒業式が、たけなわになる時期でもあります。
 特に、24日と25日は、東京都を始めとする関東地方の一都六県の、多くの学校で、一斉同時多発的に、修了式や卒業式が開催される事でしょう。
 その一方で、3月は、別離(わかれ)と共に、新しい出発(たびだち)のシーズンでもあります。
 出会う為に別れる者がいれば、別れる為に出会う者もいる。

 西暦1980年(昭和55年)の本放送から、約40周年を経て、今年・西暦2023年(令和5年)も愛されて、親しまれている、伝説の傑作アニメーション『ニルスの不思議な旅』。
 西暦2023年(令和5年)も、『ニルスの不思議な旅』のイラストで盛り上げて行きたいです。

 今回のイラストは、西暦1980年(昭和55年)のTVシリーズ本放送当時、ニルスを熱演されました小山茉美さんに宛てて、今日・3月21日に送った絵葉書、いわば最新版が、原版になっています。
 今回のイラストは、特別に、『大きなポストカード』の水彩紙に描きましたから、僅かに薄い線が見えるのは、御了承願います。
 投函する前に撮影した絵葉書の一部を、トリミング加工してリサイズしました。

『ニルスの不思議な旅』の物語の中で「不思議な旅」が始まった日付、すなわち3月20日(TVシリーズ第1話~第3話)に合わせて投稿するからこそ、意味があるものと思います。
 今回のイラストは、物語(旅)の始まりでもある、約9年前の3月20日の初投稿(illust/42354809)の原点回帰であり、その延長でもあります。

 イラストが、全体的に、やや明るめに見えるのは、デジタルカメラの光量調整によるもので、ストロボは使用していませんが、ニルスが最終回の翌年の春に、麗らかな春の光が降り注ぐ、快晴の蒼穹の下、故郷であるスコーネ地方の郊外に、旅行に出かけて、「スカッと爽やか」に澄みきり、吹っ切れた、清々しい笑顔で、スコーネ地方の大平原が見渡せる、小高い丘の上に「すっく」と立って、ややリラックスしながら、以前のイラスト(illust/89713194)の延長で、日本製の超高倍率の大型双眼鏡を両手で構えている、とイメージして頂ければ、何よりです。

『ニルスの不思議な旅』の主人公であるニルスは、ハムスターのキャロット、鵞鳥のモルテンと共に、アッカ隊長が率いる雁の群れと共に、一年という「時」を通じて、旅をしました。氷の海を飛び、山や野を超えて、大自然の厳しさに触れて、様々な動物や人間に出会い、様々な事件や不思議な体験を経験して、強さと優しさと凛々しさを備えて、大きく成長しました。
 ニルスは旅を完了して、故郷のスコーネ地方に留まりましたが、或る相互フォロワーが言われたように、
「愛する作品は、ファンの心の中では終了しないで、いつまでも現在進行形で続くものだ」
 という事になるのでしょう。事実、『ニルスの不思議な旅』は、海を超越して、世界中に広まりました。
『ニルスの不思議な旅』を読んだスウェーデン王国の少年少女達は、やがて成長して、海を超越して、世界を旅して、世界各地で活躍しています。
 スウェーデン王国は、環境と福祉と平和を世界に誇る大国になりました。

 原作が、世界中で翻訳・出版されました事と同様に、西暦1980年(昭和55年)のTVシリーズも、日本に於いての本放送の後、一部を改編した海外輸出版も製作されまして、世界中で放送されて、大人気を得ました。「原産国」であるスウェーデン王国もさる事ながら、ヨーロッパ大陸でも好評で、スウェーデン王国と同様の立憲君主制である、オランダ王国やベルギー王国でも放送されて、大人気を得ました。

 今回のイラストの、ニルスとキャロットは、第1話で妖精にかけられた魔法が、最終回で解けて、元の身長に戻った姿です。
 例によって例のごとく、ニルスの髪型と瞳の光、シャツの色や襟は、アニメとはやや異なりますが(襟はわたしの独断で変更しています)、全体的にアニメそのままの姿を損ねないようにしました。

 ニルスの表情は、少し大人っぽくしながらも、少年らしい純粋さ・誠実さに加えて、強さ・優しさ・凛々しさを備えて、大きく成長した後の姿であるが故に、やんちゃな一面から一皮剝けた、強い意思をさり気なく強調したものです。「スカッと爽やか」に澄みきり、吹っ切れた、清々しい笑顔を、注意深く表現しました。

 リアリティーを表現するべく、シャツやスラックスには、不自然にならないように、かつリアリティーを表現するべく、目立たない程度に、皺も表現しました。
 トレードマークである真紅の毛織の三角帽子は、帽子の後端を、そよ風で後ろに靡いているように描きました。ただし、シャツが、バックの蒼穹と一体化して溶け込まないように、少し間隔を空けて、注意深く着色しました。

 前述しました通り、ニルスが両手で構えている双眼鏡は、日本製の超高倍率の大型双眼鏡です。大型双眼鏡は、細部が多少違いますが、それを構えている手つきの、詳細および内容は、以前のイラスト(illust/89713194)と、ほぼ同じですから、今回は割愛させて頂きます。

 ニルスの真紅の毛織の三角帽子に入っている、キャロットは、第1話を見て描き写しました。大型双眼鏡を構えたニルスと同じ方向に視線を向けていますが、ニルスとキャロットは、最高で最良の「対象」を同時に発見した、とイメージして頂ければ、幸いです。

 バックは、ニルスの故郷であるスコーネ地方の風景で、学研のテレビ絵本第1巻を参考にして、良く澄みきった空気もイメージしながら、それらしく描き写しました。スコーネ地方の大平原が見渡せる、小高い丘の上とイメージしました(第1作でニルスが初登場するシーン)。
 バックの、詳細および内容は、昨年・西暦2022年(令和4年)のイラスト(illust/97041740)と、ほぼ同じですから、こちらもまた、今回は割愛させて頂きます。
 ただし、今回のイラストは、バックの雲は、省略しました。

 例によって例のごとく、着色は殆どマジックを使用していますから、陰影は付けていません。着色の際には、「色ムラ」が出ないように十分気を付けましたが、陰影が付かない分、あっさりとした印象になるかと思われます。
 何よりも原版が、ニルスを熱演されました小山茉美さんに宛てて送った、「出発」(たびだち)の絵葉書ですから、なるべく明るい色にしました。投函する前に撮影した際も、なるべく明るくしました。

 出来る限り力を入れて、丁寧に描きましたから、今回のイラストを御覧になる皆様が、ニルスと共に海を越えて、再び、そして新しい旅に出て、風のように何処までも行こう!! という気持ちになって頂けましたら、幸いです。

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2023-03-21 03:00:01 +0000