「あなたは誰、ですか」
「・・・えっ?」
それは突然のことだった。
部屋に戻る途中執事の1人が蹲っていたのでどうしたのか聞くと、彼は吸血鬼で定期的に血を飲まなければ存在を保てないのだという。慌てて自分の手から血を吸わせると少しずつ顔色が良くなったが、同時に困惑した表情となり、誰だと質問してきた。
彼曰く、飲んだ血から記憶を読み取ったとのことだ。本来のこの身体の主であれば知りえない記憶を読まれては隠しようがない。
これが、執事との秘密の共有の始まりだった。
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2023-03-17 20:13:38 +0000