こちら【illust/101528139】の素敵企画様に参加させて頂きます。
※1/10 主催様に承認頂きました!
※2/10 メッセージ返信致しました。
ユーザーID末尾が『1』のため、『夢の国』にお邪魔いたします。
◆名前:ベリル
◆種族:★choroネコ
◆年齢:20歳
◆所属:夢の国
◆性別:♂
◆奇病数∶8
一人称:僕
二人称:貴方、名前
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まじめでれいせいな性格の青年。表情が変わりにくいことから冷たく見られがちだが、根は明るくお喋り好き。医療や薬の心得があり、若いながらもその腕は確か。夢の国出身だが、国に関係なくひとを救いたいという考えの元各地を旅して回っている。普段は温厚だが怪我や体調不良を隠すひとには分け隔てなく全力で怒る。小柄な身体であちこち駆け回るが体力がないので、よく過労で倒れている。こればかりは何度医者の不養生と言われようとも懲りないらしい。あまり自身の生死に頓着していない節がある。
旅の目的はもう一つあり、それは奇病の治療法を探ること。医者として多くのひとを救えず見送ってきた苦しい経験が彼を動かしているよう。大切なひとを亡くし悲しむひとをこれ以上増やしたくないという思いが大きい。一方でこのまま見ているだけなのは嫌だという負けず嫌いな一面も少し含まれているよう。昼は往診に回り、夜な夜な研究に勤しむワーカホリック。何も進展がない現状や周りからの視線に傷つきながらも、いつか起こるかもしれない奇跡を信じ日々進んでいる。
運命の番の噂は知っているが、いつか自身が死んだときに悲しませてしまうのではないかとの思いから積極的に探すことを躊躇っている。
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「そこの貴方。その手、怪我されていませんか?良ければ診せてください。大丈夫、僕はただの旅医者ですから」
「あーッちょっと!しばらくは絶対安静って僕言いましたよね!?悪化したらどうするんですかっ、ほらほら今すぐ帰って休んでください!」
「どんな病にも治療法はあるはずなんです。僕はそう信じて、抗い続けます。……もう、悲しむひとを見たくないから」
「笑わないんですか、僕のこと。愚かだって、そんなことしても無駄だって。
……ふふ。変わってますね、貴方」
「僕は貴方とこの先も生きていきたい。そのためなら、どんなに辛いことだって乗り越えられる気がするんです」
「……貴方とずっと一緒にいたいって、願っても良いですか?」
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✿1/15 素敵なご縁に恵まれました!
最期のその先まで、貴方と共に生きていたい
ソラリスさん【illust/104396334】
ふと訪れた国でいつものように行き倒れていたあの日、僕は運命の太陽を見つけたんだ。
「……うぅ、すみません。ご迷惑おかけしました……。僕はベリル、旅の医者をしています。僕は体力がないので、よくこうして行き倒れていて……と、そうだ、往診の途中だったんでした。……え、薬草を?ふふ、ではまた買いに来ますね。ええと……ソラリスさん」
見ず知らずの他国の者である僕を介抱してくれた彼女は、それから僕がふらりと彼女の店を訪れる度に嬉しそうに草花の説明をしてくれたり、僕のことをあれこれ心配してくれたりした。他国の者に対してまだ風当たりの強い中その姿は不思議に写って、いつになく印象に残る存在となっていた。
だからそろそろフィルーミルを離れようかとしていたある日、突如告げられた旅の同伴宣言には本当に驚いた。
「旅に連れて行く!?いや無理ですよ、旅は危険ですし……。それに、他国へ行っても歓迎されるばかりではないんです。心無い視線や言葉に貴方まで傷つく必要はないですよ。……う、でも……わ、分かりました!分かりましたから!」
結局彼女のあまりの真剣さに根負けしてしまったけれど、彼女の穏やかな性格に隠れた強かさを目の当たりにしたこの時、僕は彼女に眩しい尊敬の念を抱いた。──医者でありながら、毎日心が揺れてしまっている自分とは大違いだ、と。
「へえ、この草は毒消しになるんですか。知らなかったです……流石ソラリスさん、お詳しいですね?ふふ、貴方がいると僕の知識も深まって助かります」
「あああ大丈夫ですか!?まさかこんなところに落とし穴があるなんて……って、怪我してるじゃないですか!早く見せてくださいっ、手当しますから!」
「貴方はいつも僕を心配してくれますけど、僕だって貴方にはいつも笑顔でいてほしいんです。なんて…わ、忘れて下さい…」
そうして始まったふたり旅の途中、どんなことがあっても彼女は僕の傍から離れなかった。壮絶な医療現場に立ち会ったときも、見知らぬ土地を彷徨ったときも、トラブルに巻き込まれて怪我をしてしまったときも……。特に救えなかった患者を見送ったとき、自分の不甲斐なさに塞ぎ込む僕に寄り添ってくれる彼女の存在は幾度となく僕を支え、救ってくれた。
僕の夢を応援してくれる彼女のおかげで研究にも自然と熱が入り、彼女が奇病で家族を亡くしていると知ったときには徹夜をしすぎて怒られたりもした。
ふたりの旅路は孤独なひとり旅よりもずっと穏やかで楽しくて。いつしかそんな幸せな時間を、優しく微笑むこの笑顔を、失いたくないと思うようになっていった。未熟で弱い僕だけど、彼女のことを精一杯守ろうと誓ったんだ。
彼女と一緒に、この先も生きていきたい。
いつか夢を叶えて、ともに喜び合いたい。
自分の生死にとんと関心のなかった僕を、ここまで変えてくれたのはひとえに彼女の存在があったからだ。
「……!?あぁ、びっくりした…。ふふ、いいよ。でもその代わり僕にもこう呼ばせてね?……いつもありがとう。僕も世界で一番愛しているよ、ソリィ!」
辛いことも多い日々だけれど、これからも二人で喜びも悲しみも分け合って生きていくんだと、僕は信じて疑わなかったんだ。
──ねぇ、それなのに。
神様、なぜ、なぜ、彼女なのですか。
やっと手に入れた、何よりも大切なひとの命がこの手から零れ落ちていくのを、黙って見ていろというのですか。
彼女の異変を感じ取ってからというものそれこそ死にもの狂いで駆け回ったけれど、結局なにも出来なかった。もう動かすことすら辛いであろう身体で、それでも僕を心配する彼女を力の限り抱きしめる。貴方のいない世界なんて、もう想像もできないよ。
……でも最後にちょっとだけ、強がってもいいかな。愛する貴方が安心して眠れるように。
「大丈夫、大丈夫だよ。この先も、ずっと一緒だ。ずっとずっとソリィだけを愛してる。……だから今はおやすみ。今度は僕が花を持って、逢いに行くよ」
──貴方が最期に見た僕は、ちゃんと笑えていましたか?
なら今だけは、情けなくても許してほしい。きっとまた前を向いて進んでみせるから。
貴方と共に、今日も生きていく。
2023-01-09 13:54:38 +0000