「やあどうも、ちょっといいかな?」
「おおっとびっくりした!…見たところ幽霊のようだが、何の用だ?」
「いやちょっとね。この先、あの角を曲がった辺りに鎧兜みたいな敵が結構集結してるんだ。2ダースはいるかも。迂回したほうがいいんじゃないかなって」
「2ダース、つまり最低24体か。大した量じゃないな、このまま押し通る!」
「…マジで?」
「おうとも!今までもそんな感じでやってきたからな!」
「わーお、まあ…気をつけてね?…もっとも、その心配はいらなさそうだけど」
「まあな、こんなナリでも俺はもう死人だ。今更恐れるものは何もねえさ!」
「いや、そういう意味じゃないんだけどね…まあいいか。しかしちょっと羨ましいなあ…」
「何がだ?」
「見ての通り僕らは幽霊だからね、肉体ないから物理的には何もできなくてね…」
「なるほどなあ…まあ幽体だからこそできることもあるってもんさ。さっき伝えてくれた情報もそうだしな」
「それはどうも…と、偵察役が戻ってきた。どうでした?」
「例の連中は今もたむろってるね。ただ、それさえ超えれば障害になるものはなさそうだ」
「おう、ありがとさん!よーし、このまま行くぞ!」
「何にせよ、せっかくこうして現世で活動できてるからには、相手が生きてるにせよ死んでるにせよ、大切な相手に胸を張れるような事をしておきたいもんですな」
■
今更ながらこちら【illust/103588789】に参戦。
ルシアンさんに幽霊がサポートに付きました。
■
お借りしました:
肉体は仮初でも精神は本物 ルシアンさん【illust/103723407】
正直仮初でも肉体があるのがちょっと羨ましい プロイツラントの善き霊たち【illust/103745310】
●ウィルソン・テイラー(犬獣人、伍長)
プロイツラント共和国軍統合参謀本部の守衛の1人。
正面玄関に配置されていた守衛たちの中では一番最初に反乱部隊により殺害される。
●ベルンハルト・ルーデン(狐獣人、大尉)
以前はどちらかといえば急進派寄りだったが、彼らがクーデターを起こした際の政府高官襲撃に妻が巻き込まれ死亡したことにより反クーデターレジスタンスに参加。
政府高官襲撃を指揮したクーデター派幹部の暗殺に成功したが、本人も死亡する。
2022-12-25 13:34:07 +0000