「レアン、こっちだ! 巻き込まれるぞ」
横たわる衛兵たちの剣がかすかな音を立てるのを聞いて、エイスはレアンに離れるよう促した。
さすがエイス、察しが良くて助かる。アルバートはそう思いながら意識を集中させた。味方に損害を出さないようにするつもりではあるが、得たばかりの新しい力だ。万が一ということもあり得る。
床に落ちていた剣が浮き上がり、アルバートの周囲に集まる。武器を勝手に使って悪いが、それで一矢報いることが出来るなら、衛兵たちも文句はないだろう。魔眼の雷の力と磁力を組み合わせ、鉄で出来たものを超高速で撃ち出す。悪魔はレアンによる精神攻撃で動きが鈍っている。今が絶好の機会だ。
「そのようなもので僕が倒せるとでも?」
イザンは口の端に嘲笑を浮かべるが、笑いきれてはいなかった。
「そのようなものを使う連中に、一回だか二回だか負けてんだろうが」アルバートは腕を突き出し、吠えた。「お前が殺した衛兵の剣だ、ありがたく頂戴しな」
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盛大にパラレルってますが、そういうこともあったかもしれないし、なかったかもしれない、みたいな感じでよろしくお願いします……
お借りしました
□レアン=ミラシャンテさん illust/102183162
□アルバート・フォークナー illust/102015015
2022-12-25 11:30:30 +0000