「……ディアブル」
「……ンだよテメェか。頭の中まで入ってくるなクソガキ。こっちは散々ボコボコにされて疲れてんだ」
戦闘後の喧騒も聞こえない、真っ暗闇な空間。この悪魔の心象にしては穏やかな光景だ。
「まぁまぁ。すぐに終わりますので気兼ねなく。私はただ"とあるヒトの願いを届けに"来ただけなので」
「そりゃァ大層なこった。で、わざわざ俺の頭ン中まで押しかけてきて何するつもりなんだよ」
喚ばれただけのこの身体の存在証明が既に崩れ始めて来ている。本来有り得ざる召喚だ、自身の魔力を借りているとは言え留まる時間はもう無いようだ。
「蹴ります」
「…は?」
「ここにいられる時間も限られてるので説明は省きます。"例えこの少しの時間だけでも、クリスタルさんと幸せに"」
フジヤマアーティファクトオーバードライブ
「グッ…!?痛くねぇ…?」
精神体の腹を貫いたその一撃には、痛みを伴わない。“元の自分が願ったもの”を、形にして込めるだけの一撃。
「楔は打たれました。ではこれで失礼します」
「…待て。テメェ、何モンだ。せめて名ぐらい名乗れ」
「"珠乃御前"。しがない神様見習いです。それでは」
『そしてさらば。懐かしき我が仲間達』
心象世界から少しだけ見えた今の仲間達を一目だけ見たその三尾の狐は、また何処かへと消え去った。
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権能完全解放 覚醒めよ我が魂 我が祖先たる九尾の血よ これなる魔の竜に力を貸さんとし 真名を解放する 我が真の名は"珠乃御前"
内に秘めたる蒼き炎 全てを力に変え 滅殺せよ
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仮初の最強形態(権能完全解放態)「珠乃御前」
身長:184cm
体重:67kg
タマが“願い”喚び出した、“タマの可能性の中にあった未来の姿”。120年後のタマ本人であり、神様となるための修行に切磋琢磨していた。尻尾の本数は3本に増え、先祖から継いだ権能の完全解放に成功している。ディアブルの心象世界に現れた87秒後に消失。
願いと事象を“ずらす”または“反転する”能力へと権能が変化しており、信仰する者達やその力を行使する相手の“願いや今後起こるような出来事の結果”を多少操作できる。ただし、これが直接的に出来るのは心象世界に入り込めた者ぐらいである。
殺生封印撃について
痛みを伴うことの無い、精神体のみを攻撃する必殺技。心象世界での発動時のみ、この技には“願いを込める”効果も付与される。ディアブルに打ち込んだものを端的に説明すると、“特にクリスタルへの攻撃に対する防御魔法の自動展開”(仮にクリスタルさんが攻撃された場合、ディアブルさんに残った珠乃御前
の魔力の残滓で防御魔法を展開する。1度のみ)である。
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押しかけ問答無用にディアブルさんを蹴ります。防御魔法付与に関しては基本無視で大丈夫です。未来ですれ違ったりした場合にタマがその楔が残っているのを見て「あぁ、アレが無くともちゃんと護ってるんだな」と少し感慨に浸ります。
心象世界にいる時の珠乃御前の記憶はタマには残っていません。ディアブルさんに「余計なモン押し付けやがって」と詰められても何も知らないので困惑するだけです。120年後に記憶としてやっと知覚されます。
お借りした方の行動を制限するものではありません。都合が悪ければパラレルスルーお願いします。
お借りしました
ディアブルさん【illust/102013809】
邪竜獣ディアブル制圧戦【illust/103207241】
うちの子【illust/102306407】
3章の時間軸での小説展開は後ほど
2022-12-13 16:07:23 +0000