空挺ヴァリャーギ分隊長「一番艇全隊員搭乗、安全帯装着!」
強襲艇パイロット「アイオロス1装備正常、主機点火、チョーク外せ!」
神聖蒸気カタパルト係「射出重量良し! 牽引器結合完了!」
従軍司祭「祝福完了、蒸気圧適正、発艦準備よろし、主の御心のままに!」
カタパルト操作員「甲板要員は退避せよ。射出5秒前、4、3、2…主のご加護を!!」
強襲艇操縦士「出力最大! 本日はビザンツ航空アンティオキア行きアイオロス1便にご搭乗頂き誠にありがとうございます☆ しばし快適な空の旅をお楽しみください」
ヴァリャーギ兵達「ムハハ♪ めっちゃ揺れる!!(下品な歌を歌い始める)」
……
強襲艇操縦士「アイオロス1にご搭乗の皆様、アンティオキア上空まで残り5分でございます」
副操縦士「防空艦艇・戦闘艇の機影無し、第一艦隊の陽動は成功の模様」
輸送係「強行着陸用意! 安全帯確認せよ」
空挺ヴァリャーギ中隊長「二人組で装備最終確認、安全帯装着確認せよ。諸君は東方遠征軍最先鋒の一番艇に搭乗している。歴史に名を刻む栄光を同僚から奪い、皇帝陛下の覚えめでたき第一艦隊が今まさに敵のおもりをしている。つまり、それに見合う働きをしなければならない。詩人は歌を紡ぎ、楽師は調べを奏で、踊り子は舞う、空挺ヴァリャーギ連隊の戦士は何を以て己を物語る?」
ヴァリャーギ達「戦いと死!」
中隊長「大変結構! 諸君が朗々と、高らかに自身が何者であるか歌い上げることに期待している!」
――――
アンティオキア奪還を目標としたカプトゥムンディ作戦発動に際して先陣を切るビザンツ帝国第2空中機動艦隊所属のクリバナリウス級航空母艦4番艦ミュリオケファロンから完全武装の空挺ヴァリャーギを満載したマヌエル強襲中隊1番艇が神聖蒸気カタパルトに固定され、発艦前に従軍司祭の祝福を受ける様子。
作戦の推移が芳しくない場合は撤退不能孤立無援という危険極まりない任務であったが同中隊は第一連隊の第一陣を担い、陽動作戦によって手薄となったアンティオキアへの夜明けの侵入を成し遂げた。彼らは主要官庁、宮殿を強襲することで敵中枢の連絡と状況把握を遅滞混乱せしめ、主力艦隊の攻撃を効果的に支援した。結果としてカプトゥムンディ作戦は36時間という驚異的な短時間で成功を収め、アンティオキアは帝国の一大拠点へと返り咲いた。この勝利は翌年のヤムルーク空中会戦へと繋がり、アナトリア、そしてシリア、メソポタミアへ及ぶ大戦の形勢へ極めて重大な影響を与えた。
illust/101593104
illust/62078841
β17式γ型高速強襲艇はβ17輸送艇の派生機材である。元々軽量なβ17に新素材の採用や装備の省略を施すことで空挺ヴァリャーギ連隊の高速浸透戦術に特化した機体であり、耐久性や戦闘力は従来より低下している。兵士達は本機を自嘲気味に「イカロスの翼」「ヴァルハラ超特急」と呼び、作戦前夜には必ず大宴会を催した。
やはりオープニングは厳かなビザンツの典礼音楽から始まり、神聖蒸気カタパルトがセットされて機体が力強く牽引される瞬間にアレンジされた雅な(?)Danger Zoneがビッとかかるんですよ(激しい幻聴)。酒を飲まないで考えてみれば、戦艦や空母が浮遊しているのに小型艇はカタパルトを使わないと発艦できないというのは……何だろう、浮遊機関の小型化が困難とか出力が弱いとか技術的な問題があってそうなっているのか。しかし一度飛んでしまえば翼が小さくてもふわふわ飛んでいられるとか謎の航空技術体系が……(考えずに描くからそういうことになる)
2022-10-06 11:12:19 +0000