【HD阪急05-R-1】京都気分になれる観光特急【7000系】

コズミックスペース改

阪急電鉄7000系「京とれいん 雅洛」:
2011年に6300系(illust/47528880)6354Fを観光列車に改造して導入したのが「京とれいん」であるが、2018年に「京とれいん」の2編成目の導入を発表した。
「京とれいん」が好評を得ており、訪日外国人の利用も増加していることから、さらなる沿線観光地のPRと旅客誘致につなげるため、2編成目の開発が行われた。
列車名は「京とれいん 雅洛(がらく)」。
種車である7000系(illust/47532641)7006Fを「京とれいん 雅洛」へ改造工事を行い、2019年に営業運転を開始した。

コンセプトは「ご乗車されたときから京都気分」。
改造する編成の選定にあたっては、7000系には鋼製車体とアルミニウム合金車体の車両が存在するが、大規模な改造が比較的容易に行える鋼製車体の編成が選ばれた。
「京とれいん」と同じく「和・モダン 京町家」のイメージを継承しつつ、1両ごとに季節とテーマが定められ、それぞれ異なる外観や車内デザインで何度乗っても楽しめる車両となっている。

車体は、6両とも側面の中央扉が撤去され3ドアから2ドアに変更された。
中央扉のあった箇所には、円窓が設けられた。
旧戸袋部分への側窓の設置は行われず、その部分の空間を補う形でラッピングが行われた。
残った乗降扉は窓が格子戸タイプに改造され、京町屋をイメージしている。

行先・種別表示器はフルカラーLEDに変更された。
快速特急・直通特急で運用する際、種別幕は「快速特急(または「直通特急」)」と「京とれいん雅洛」を3秒間隔で交互に表示する。
既存のリニューアル車同様、ドアエンジンの交換、側扉開閉予告灯の設置、前照灯のLED化も行われたが、制御装置のVVVFインバータへの換装や空気圧縮機の低騒音化改造は行われていない。
神戸線時代とは異なり、他の編成と併結することがなくなったため7006に装備されていた電気連結器および自動解結装置は撤去された(元々併結しない側だった7106の連結器は従来通り自動連結器のままである。)。
全体に金色と黒色を基調としたラッピングが行われ、マルーンを損なわずに高級感が引き出された。
側窓下部のほぼ全長に渡って金の細帯が、戸袋部分は黒を基調とした装飾がなされた。
中央扉を閉鎖した箇所は、1・3・4・6号車は大型の扇(2・5号車は、窓周囲の装飾のみ)があしらわれた。
1両ごとに定められた季節に合った植物があしらわれ、1号車は「楓」、2号車は「竹」、3号車は「桜」、4号車は「葵」、5号車は「芒」、6号車は「梅」である。
「京とれいん 雅洛」のエンブレムも、各車両の右出入り口の左とヘッドマークに配置された。
なお、「京とれいん」に準じたラッピングも検討されたが、側面レイアウトの違いで車体とのマッチングが悪いことから、採用されなかった。
車番表記は、従来からの腰板部分に加え、側窓上部にもステッカー式のものが追加され(併せて、社紋も窓上に移動)、ホームドアや高架橋越しにも車番が視認できるようになった。

内装は6両とも大きく手が加えられ、色調は、奇数号車が明るめ、偶数号車が暗めのトーンでまとめられている。
乗降口と中央部、車端部はデッキで仕切られ、中央部入口には丹後ちりめんの暖簾や、京町家に多くある犬矢来、パンフレットラックが設置された。
連結妻面には、海側の妻窓を撤去した上で観光案内用の液晶ディスプレイ(LCD)が設置された。
撤去されなかった側の妻窓にはガラスにフィルムを貼り付け、障子戸をイメージした。
神戸線時代にあった扉付近のLED車内案内情報装置は撤去され、扉上に車内案内用LCDが千鳥配置で新設された。
このLCDの背景には季節に応じた植物が表示される。
2 - 5号車の車両中央の窓にはすだれカーテンが、窓の上部には雪見障子風日よけが設置された。
「京とれいん」と同様に公衆無線LANも導入され、日本語・英語・中国語・韓国語に対応した4か国語自動放送も導入された。
自動放送は神戸線との直通運転時の案内にも対応している。
運転中は前方映像配信サービスが行われ、乗車中に専用Wi-Fiに接続することによって見ることができる。

1号車のテーマは「紅葉文様を代表する図柄『流水に楓』を用いた、秋の京都を感じる車両」。
座席は1人掛けと2人掛けのボックスシートがそれぞれ5ボックスと車端部のロングシートで構成される。
京都河原町方の車端部にはL字に配置された座席が1席ある。

2号車のテーマは「枯山水の庭と雪見障子が相まって、凛とした京都の冬を感じる車両」。
中央扉が撤去された箇所の片方には「枯山水の庭」が設置されている。
座席は全席ロングシートで、「枯山水の庭」の反対側のロングシートは畳敷き座席となっている。

3号車のテーマは「桜散らしの柄を使用して、はんなりとした京都の春を感じる車両」。
座席は1人掛けの固定式クロスシートが8席と窓向き座席(進行方向京都河原町方面において左向き)10席と車端部のロングシートで構成される。
窓向き座席にはカウンターテーブルが設置されている。

4号車のテーマは「外観の扇に葵、車内円窓部には貴族に愛された杜若をあしらった夏の京都を感じる車両」。
座席は1人掛けの固定式クロスシートが8席と窓向き座席(進行方向京都河原町方面において左向き)10席と車端部のロングシートで構成される。
窓向き座席にはカウンターテーブルが設置されている。

5号車のテーマは「外観の芒と京町家の坪庭が相まって、去りゆく夏から初秋へ移りゆく季節感が味わえる車両」。
中央扉が撤去された箇所の片方には「京町家の坪庭」が設置されている。
座席は全席ロングシートで、「京町家の坪庭」の反対側のロングシートは畳敷き座席となっている。

6号車のテーマは「外観の扇に梅、車内丸窓部には鶴と松をあしらい、新春を迎えた京都を感じさせる煌びやかな車両」。
座席は1人掛けと2人掛けのボックスシートがそれぞれ5ボックスと車端部のロングシートで構成される。
大阪梅田方の車端部にはL字に配置された座席が1席ある。

現在、6300系「京とれいん」と共に活躍しており、阪急京都線の大阪梅田~京都河原町間を運行している他、直通特急で神戸本線に乗り入れや貸切列車としても運行している。

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2022-07-24 08:37:02 +0000