【HD新京成04】京成3100形の弟分【80000形】

コズミックスペース改

新京成電鉄80000形:
2005年に製造したN800形(illust/48884984)に引き続き「京成グループ標準車両」として設計・製造された車両で、2019年に導入した。
京成電鉄との共同設計で、京成電鉄では3100形(illust/99943453)として製造されるが、本形式と京成3100形では一部機器の仕様が異なり、特に制御装置や主電動機に関しては両者で全く別のものを採用している。
本形式は先に落成した京成電鉄3100形と同様に、「受け継ぐ伝統と新たな価値の創造」をコンセプトに、さらに新京成電鉄のキャッチフレーズ「まいにち、ちょっと、新しい」を具現化したものである。

製造元は日本車輌製造が担当する。

車体はN800形と同じく、いわゆる「日車式ブロック工法」による、軽量ステンレス製18m級3扉車6両編成を組む。
前頭部は普通鋼製の強化構造で、前面窓上部の前照灯は森尾電機製の16粒角型LED式ライトを採用、窓下には多角形構成の急行灯と尾灯を配置している。
やわらかさを演出するために外観を丸みを帯びた形状とし、N800形等の在来形式と異なり裾部だけではなく正面脇から側面上部にかけてにもジェントルピンクのラインを配色している。
これは高架区間でも新京成のコーポレートカラーであるピンクがわかるようにするためであるという。
なお、本形式の車体側面の車番表記は在来形式と異なり番号の前の社章がないほか、位置も車体下部から上部に変更されている。

車内のカラースキームは8800形(illust/46534633)リニューアル車およびN800形N858編成(最終増備編成)に準じている。
オールロングシート構成だが、京成3100形で採用された「一部折りたたみ式ロングシート」は採用されていない。ドア間は8人掛け(先頭車の車椅子スペース横は5人掛け)、車端部は5人掛けまたは2人掛け(フリースペース横)となっている。
座席は1人分の掛け幅が460 mmの片持ち式構造で、従来よりも背もたれを170 mm高くしたハイバックシートを採用している。一般席の背もたれは赤色系、優先席部は青色として識別している。
優先席部おいては、つり革と手すりをオレンジ色着色品としている。
側窓のカーテンおよび連結面貫通扉には、沿線の名産品であるブドウとナシのイラストを入れている。
先頭車の乗務員室直後に車椅子スペース、中間車の車端部(1両1か所)にはフリースペースを設置している。
フリースペースは、車椅子利用者だけではなくベビーカーや大きな荷物を持った乗客への配慮とした。
防犯カメラは1両に3台設置されている。
KEISEI FREE Wi-Fiは未搭載。
この他の共通点として、空気の浄化効果のあるプラズマクラスターイオン発生装置の導入、空調制御ソフトの見直し、開放感を持たせるために座席端部の袖仕切りにおけるガラスの採用などがされている。

車内案内表示装置は各乗降扉上に17インチ液晶ディスプレイ(LCD)2画面を配置しており、2画面とも運行情報表示用となっている。
新京成ではそれまで、車内LCDはLEDディスプレイ取付時横長LCDを採用しており、当初からの2画面LCDは新京成として初導入。
ドアチャイムおよびドア開閉表示灯を備えている。
放送装置には自動放送装置を備えている。

主制御装置には、8800形リニューアル車に続き、三菱電機製フルSiC-MOSFET素子VVVFインバータ制御を採用している。
N800形では、ベースとなった京成3000形と同じく東洋電機製造製の主制御装置が採用されており、同車のベースとなった3100形においても同社製の機器が採用されているが、本形式では新京成で広く使われてきた三菱電機製に回帰した。
主電動機には同じく、三菱電機製の155 kW 出力全閉式かご形三相誘導電動機が採用されている。
台車は日本製鉄製のモノリンク式ボルスタ付空気ばね台車を使用している。
助電源装置は東芝インフラシステムズ製の静止形インバータを搭載する。
空気圧縮機(CP)は三菱電機製のオイルフリースクロール式CPを各先頭車に搭載する。

2019年に80016編成が営業運転を開始し、2021年には2編成目となる80026編成が増備された。
2022年には80036編成が導入予定となっており、8800形を置き換える予定。

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2022-07-23 14:27:27 +0000