パリ・リヨン・地中海鉄道(PLM)は仏蘭西の首都パリからフランス第二の都市リヨンを経由して地中海方面への幹線を有し、1938年に国有化されるまでフランス有数の大鉄道として君臨していました。そして1920年代に輸送近代化の為に鉄道電化も行われますが、その中でもフランスとイタリアを連絡する全長135kmのモーリエンヌ線は、輸送量が多いものの、30パーミルの急勾配があり、蒸気機関車による輸送に限界が来ており、沿線が山岳地帯で水力発電が容易であることから、1918年に電化が計画され、直流1500V電化が1930年までに完成姓ました。このモーリエンヌ線用の機関車としてパリ・リヨン・地中海鉄道が1929,30年に4両製造したのが本作の262AE型電気機関車です。
262AE型はBatignolles-Chatillon社で製造され、電気部品はエリコン社で製造されました。全長23.80m、自重158.25 tの2CC2の軸配置で、MBZ660型モーターを6台装備し、総出力は3928kW ,5340馬力を出せ、単一車体としては当時世界最強の電気機関車でした。モーリエンヌ線はトンネル断面が狭いため、電化方式は架線と第三軌条を併用しており、262AE型もパンタグラフと共に先台車に集電シューを備えていました。
1929年に行われた性能試験では時速90kmで800トンの列車を牽引し、さらに600トンの列車を牽引し108.5 kmを59分で走破し、その高性能ぶりを証明しました。運行開始後は高出力で信頼性が高い機関車と評価されました。国有化後の1950年に形式を2CC2 3400型に変更されました。登場後ほぼ半世紀に渡ってモーリエンヌ線の主力機として活躍しましたが、1960年代に入ると後継機の登場で廃車が進み、CC6500型illust/65688451の登場によって、1974年4月26日に最後の1両が引退しました。最後まで残った2CC2 3402号機は廃車後も解体を免れ、モーリエンヌ線沿線にあるシャンベリの円形機関庫内で静態保存されています。
本作はhttp://www.apmfs.fr/262ae1.htmlに掲載された図面をもとに保存されている2CC2 3402号機のPLM手鉄道時代(上)と国有化後の姿(下)を1.5/80スケールで作画したものです。
参考:http://www.apmfs.fr/262ae1.html
https://fr.wikipedia.org/wiki/2CC2_3400
https://fr.wikipedia.org/wiki/Ligne_de_Culoz_%C3%A0_Modane_(fronti%C3%A8re)
2022-06-30 13:32:14 +0000