❝ 或る画家と静謐なる標本園 ❞
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❚𝐍𝐚𝐦𝐞 : Gisele-Östmann / ジゼル・エストマン
❚𝐀𝐠𝐞 : 54
❚𝐒𝐞𝐱 : ♀
❚𝐇𝐞𝐢𝐠𝐡𝐭 : 182cm
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❚𝐕𝐨𝐢𝐜𝐞𝟏「オマエねえ、大して用事も無いのに居座るんじゃないよ。アタシは忙しいんだ。もう帰りな。」
❚𝐕𝐨𝐢𝐜𝐞𝟐「家族はいない。夫も出て行った。オマエみたいによく笑ってる男だった。」
❚𝐕𝐨𝐢𝐜𝐞𝟑「アタシはジゼルだ。ジゼル・エストマン。シシェルなんて人は知らないよ。」
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❚𝐏𝐫𝐨𝐟𝐢𝐥𝐞
↳ジゼル・エストマンは、自身の圃場で何十種というハーブを栽培し、加工し販売することで生計を立てている女性ハーブ農家。
彼女の自宅には、自作のハーブを使った生活品が並んでいる。食事には自作の調味料を使い、あらゆる石鹸にも自作のハーブが使われていて、スキンケア用品も全て自作という、究極のハーバリスト。また、販売に至らないハーブを植物標本という形で作品を作ることを密かな趣味としており、元画家たる創作性は失われていないと見える。
↳幼少期から画業の道を志し、美術大学を卒業。友人の紹介で大手法律事務所の弁護士男性と結婚し、夫の支援を受けながら20代~40代を画家として生きる。当時のペンネームは【シシェル・エストマン】。
その画家は美しくも退廃的な少女画を専門としていた。数ある絵画のモデルは自身のイマジナリーフレンドの少女なのだとカミングアウトすると、この美しき絵画たちは本人の精神疾患が生んだ奇跡だと脚光を浴び20代にして画家としての名が忽ち国内外に知れ渡る。
ところが、ある事件を境に画家の人生は一転した。ある雨の日、家出少女と出会い、「警察なんか呼ばないで。秘密にしてくれるならデッサンのモデルになってあげる」と言われ、誰にも秘密で自身のアトリエへ招いた。己の精神上に存在する少女しか絵に描いたことがない画家は、少女のデッサンを重ねるうちに好奇心がエスカレートし……ついには少女の░░░░░░░░░░░しまう。画家の帰りが遅いことを不審に思い、駆け付けた夫により少女は警察に預けられるが、░░░░░░░░░░░░░の罪により画家は逮捕された。
↳夫と離婚し、画業の世界から去った彼女は名を変え全てを捨て、逃げるように単身外国へ飛び立った。緑豊かな田舎町で新たに出会ったのはハーブ。当時40代だった彼女は、独学でハーブの効能の科学的根拠を勉強し、一日中蒸留実験を行う日々を送る。やがて耕作放棄地だった畑を借り受けて土壌作りを始め、初めは野菜から育てて何年もかけて土と菌を研究した。研究圃場での作業の後はラボへ移動し、採取したハーブを乾燥させたり精油やハーブウォーターを作る作業に移る。……そうして、何かに熱中していなくてはすぐに希死念慮が襲いくる。気付けば、画業を手放しハーブの世界に足を踏み入れてから10年を超える時間が過ぎていた。
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❚𝐍𝐚𝐦𝐞 : Annette-Scholl / アネット・ショール
❚𝐀𝐠𝐞 : 14
❚𝐒𝐞𝐱 : ♀
❚𝐇𝐞𝐢𝐠𝐡𝐭 : 156cm
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❚𝐕𝐨𝐢𝐜𝐞𝟏「友達いますよそれなりにー! まあ、あんまり長くは付き合えないけど……」
❚𝐕𝐨𝐢𝐜𝐞𝟐「ひど~い! こう見えて私、けっこー成績良いんですから!」
❚𝐕𝐨𝐢𝐜𝐞𝟑「だって~、家に帰っても一人だし。毎日ここに来ちゃおうかなー!」
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❚𝐏𝐫𝐨𝐟𝐢𝐥𝐞
↳アネット・ショールは、母親の仕事の都合で国内外を転々と移住し、現在は都市部の小中一貫校に通う女子中学生。
底抜けに明るく社交的なシティーガールで、英語・フランス語・ドイツ語を巧みに話すトリリンガル。博愛的でユーモアのある性格が功を奏し、行く先々でのクラスメイトとの関係も良好に築くことができ、学校生活を楽しんでいる様子。得意科目は理科と美術。動きやすい服装を好むが体育(走ること)は苦手。天然パーマがコンプレックス。
↳姓が違う父と、母と弟との四人家族だったが、彼女が8歳の頃に父と弟は飛行機墜落事故により他界、それ以来は母親との二人家族。母親のアドレイドは大手製薬会社で働くキャリアウーマンで、男児が欲しかった母は息子を溺愛していたので、自分に愛情が向けられていないことを娘は知っている。故に、母親の都合に振り回され移住を繰り返すことに今さら異議を唱えることもしない。小学生の頃から度重なる転校を経験したことから、部活やクラブに所属するも大会やコンクールに出場する直前に転校し席を空けてしまうことで周囲に迷惑をかけることを知り、最近はどの学校に行っても部には所属していない。
↳学校に馴染むために自己主張を控えて突出せず、なるべく皆と同じことを選び上手く世を渡る彼女だが、実は大の植物オタク。土地特有の植物を鑑賞したり、お小遣いで種や苗を買って栽培することを楽しみとしている。将来は勉強を沢山して、自然豊かな広大な土地に植物園を開いて植物学を研究するエライ人になりたいと夢見ている。
↳植物と同等に趣味と言えるものが美術品の鑑賞である。昔、好事家の父に連れられ、当時さして興味もなかった美術館に足を運んだことがある。名だたる芸術家たちの美術品が並ぶなか、大きな額縁に収められた絵画に目を奪われた。それは、幼い子供が見るには恐怖を感じてしまうほどに幻想的で、妖しくも美しい少女の肖像画だった。銘板に書かれた題名は『ミス・エトワールの肖像』。画家の名は『シシェル・エストマン』。同じ姓を持つ父が購読していた芸術家を紹介する雑誌に、よく登場している名前だった。この一件をきっかけに、エストマンの絵画を目当てに美術館を巡ることをもう一つの楽しみとしているのだ。
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❚𝐀𝐭𝐭𝐞𝐧𝐭𝐢𝐨𝐧
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Illustration and design by chansomu ✍︎
2022-05-31 12:28:38 +0000