ボツラフとか、ふごパロとミコト様オルタとか1枚だけほやパロとか、メイドの日2枚と最後のはマシュマロで頂いたアニドリで好きな回はという質問で描いたやつとか。パロディはすべて個人的な妄想です。
(↓以下ミコウォミコです↓)
※姫さまオルタネタ
☆彡
瓦礫から這い出て、痛みに震える脚でそのもとへ歩く。
「ミコト、さま、ッ……」
主君はこちらを見ない。
「っあ゛、は……」
自身の口から、血が吐き出される。咳をした時に自分の肋骨が折れていることに気付いた。
「ひめ、……っ」
ぼうっ。突如目の前に立ちはだかる炎の壁。これは、今、姫が出した炎だろうか。
大丈夫かと焦ったような声が聞こえると、ふらつく俺の肩が掴まれて転倒を防がれる。平気だとだけ伝えてその鎧を軽く押し返した。
炎の壁は、ゆらゆら、ゆらゆらと不安定だ。それは使い慣れない力であるためか、ああ、それとも、貴方は、苦しいのであろうか。
おいと制止する声を無視して、消えかけの炎の壁を通り抜ける。そして拙い足取りで、主の前まで。
「私……戻れなくなっちゃったよ」
予想は、していた。彼女の中の憎しみが抑えられなくなったら、その時はもしかしたら、と。
「……姫。私は……貴方のそばにいると約束いたしました」
「……」
色のなくなった瞳が揺らいでいる。
「姫」
「……わた、し、もう、全然、きれいじゃないよ……」
「……貴方が、どのように変わろうとも、私は貴方のそばにおります。たとえ、貴方がご自分をお嫌いになっても、私は変わらず貴方の執事です。……これではいけませんか」
「……」
「だいじょうぶ、です、姫。わたし、は、ッ、ぁ、……ッ」
脚がもうもたなくて、体が崩れてしまう。
──ちゃぷん。
しかし何かに包まれて支えられたことで地に倒れ込むことはなかった。
「……ウォーレンス…………」
ふっと視界が暗くなって、唇に柔らかい感触が触れる。さらさらと頬の横を過ぎていく何かがくすぐったい。
「少し、休んでいて、ウォーレンス」
──闇を封じたら、英雄の名前を捨てて、ふたりきりで旅をしよう。
朦朧とした意識にはじゅうぶんに言葉を咀嚼できず、俺はただ、その落ち着いた声に安心して眠ってしまった。
2022-05-25 16:11:40 +0000