-自宅-
その日の彼女はちょっと変わっていた
あまりにも早い時間の父への見舞いへの出発
百瀬「寄るところがあるから」
そうは言ったけど いくらなんでも早すぎる
そして、珍しくおはぎが抱っこをねだって出発を阻止する
それを彼女はまるで子供をあやすようになだめた
「奈々姉に買ってもらった服、似合ってるけど
なんか喪服みたいだな」
百瀬「…」
「すまない 悪気はないんだ
いつもメイド服で行っているから、みんなも驚くかもな」
そもそも今日は検査もあるから父に来なくていいと言われたんだが
様子見だけでもと強行したんだよな よほど心配なのか
百瀬「「それじゃ さよなら」
「う、うん 気をつけてな」
時間はあっという間に昼前
一人で十分。と言われたけど いつもと様子が違いすぎた
何よりさっきから連絡しても、通じないのが不安を増す
今日は学校も休みだし 俺も見舞いに行こう
-駅前-
電車に乗ろうと、構内に足を向けたときだった
”ビーッ”
後ろでクラクションが鳴った 慌てて振り返る
瞳「こんにちは」
百瀬の叔母 瞳だった
「どうも。百瀬ならいませんよ」
瞳「知ってるわ あなたに用があってね」
「は? いったい何の用でしょう」
瞳「美沙。あの娘のこと 話そうと思って
自分で何も言わないでしょう?いつもむすっとして
ただ、ここじゃなくて、一緒に来てほしいのよ」
俺の怪訝そうな表情を読み取ったのだろう
瞳「嘘はつかないわ 約束してあげる
それに、あの娘も来ることになってるから
本当はこの辺で話したかったんだけど、あの子が
いきなり場所を指定してきて、そこまで行く途中なのよ
困ったことに、少し前から連絡が取れなくて
まぁ、場所はわかっているからいいけどね
どう?嫌なら私一人で行くけど」
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愛してます!
2022-05-13 19:36:27 +0000