【フェアヴィラ】ソンリェン【ヒーロー】

ヒスイカヅラ
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こちらの企画に参加させて頂きます。
マイフェアヴィラン(illust/96024860

「倒されたいなら、俺が倒してあげようか」
「君の理屈を通したいなら、ちゃんと言葉で俺に説得をするか、しっかり力で示してみせてくれよ」
「運命の人とキス、ねぇ…? 試してみてもいいけど、どうする?」

「俺が助けたいって思ったから、助けるよ。要らないって言われても知ったことじゃないな。俺は勝手な人間なので」


路 颯懍(ルー ソンリェン)
24歳/172cm/男/ヒーロー

穏やかだが少し適当な雰囲気の武闘家。
警護や魔物討伐を生業に生活している。
自分の決めたことは貫き通す信念の強さがあるが、やや人の話を聞かないところがあるので強引に力技で押し込むことも多々ある。
人に対してはあまり執着をしない性格で、その場限りの関わりであるという考えから他人に対して詮索をすることはあまりない。
恋愛に関しても自身がそこまで深い気持ちを他者に抱いたことがないため、キスや諸々に対しては軽めの言動が目立つ。
力がなければ意志は通せないし、力があるものに対して対話をすることも難しいと考えていることもあり、日々鍛錬に励んでいる。
生活能力は低めで、いつも物を失くしては弟子に探してもらい面倒を見てもらっている。

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たった一人の弟子:扇 夜鈴さん(illust/97903164

随分と昔にヴィランに襲われていたところを助け、それをきっかけに熱烈に弟子入りを志願され根負けして渋々弟子にした女の子。
最初こそ煙たがっていたものの、現在は直向きなその性格を好ましく思っており、たった一人の弟子として、またときに妹のような存在として、大切に成長を見守っている。

「夜鈴、ここにあった本知らない? 昨日まではあったと思うんだけど。……まぁいいか、今日はどうする? 修行する?」
「俺は最強じゃないし普通に負けるときは負けるけど。お前は昔から俺のことを過大評価しすぎだよ」
「ヴィランは等しく成敗、とは言わないけど、お前が手こずるような相手なら俺が出向こうか。ほら、これでもお前の師匠なので」
「ん、なに? 誰かと逢瀬? 良い人でも出来た?……紅でも買ってやろうか。似合う色、見繕ってやるよ」


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素敵なご縁を頂きました!

運命の唯一:晏景さん(illust/97857134

冷えた空気の中で提案されたそれに、頭の回転が早い奴だな、とそういう印象を抱いたのが最初だったように思う。

いつもと何も変わらないような仕事の依頼だった。悪虐非道を尽くすヴィランの確保や討伐なんてものは日常茶飯事で、その日も依頼内容を要点だけを拾いながら聞き流していた。

酒場。ヴィラン。吸血鬼。
依頼された内容を思い出しながら夜道を歩いて、吸血鬼だなんてこの時世に珍しいものでもないだろうに、とぼんやりとそんな言葉が頭に浮かんだ。

ただ、人を殺している数が目につくだけ。分かり合えないから排除するだけだ。人とそれ以外の関係なんてそんなものだし、それに何か理由を求めるようなこともしない。あくまで仕事は仕事、依頼は依頼であるし、自分のような人間に依頼してくる人間の心理にだって気を割く必要もない。

だから、まさか引っ捕まえてくるようにと言われた相手が自分に冷静に対話なんてしてくるとは思わなくて、心底驚いた。男にしては整った綺麗な顔を見ながら、話ができるタイプの奴なら無理矢理黙らせて引き摺っていく必要もないかもしれないなとそんなことを考えた。

「大魔道士の魔法に運命の人とのキス……ねぇ? それで、その相手が俺なんだ?」

命乞いにしてはやけに淡々と冷静に語られたそれに、面倒なものに巻き込まれたものだな、と静かに息を吐く。

晏景と名乗ったその吸血鬼は、どうやら大魔道士から呪いとも取れるような魔法をかけられてしまっていて、それを解くには運命の相手とのキスが必要だと語った。そして、その相手がよりにもよって自分だと言う。

面倒だ、勘弁してほしいという素直な気持ちが浮かび、視線を宙へと彷徨わせる。

そもそも、そんなことを言われても俺には関係がない。こいつがこのまま魔法とやらで永遠の眠りにつこうが、俺が依頼主に引き渡して、その後殺されようがどうでもいいというのが素直な感想だった。

閉口しどうしたものかと思案していると、静かに俺の反応を窺っていたらしい晏景から、情報を売ろう、と提案がされた。次いで話されたそれは悪名轟くヴィランについての情報で、そちらの方が報酬も良いんじゃないか? と涼やかに目が細められる。

確かに、そちらに手を掛ける方が俺には利がある。魔法を解く手助けと称して、仕事を優位に進めるための情報をこいつから引き出すのもそう悪くはないかもしれない。

「……で? お前はそれで、お前のこと引っ捕まえに来た初対面のどうでもいい俺なんかとキスしないといけないんだ? 大変だな」

あくまでこの場で優位に立っているのは自分だ。嘲笑混じりにそういえば、切れ長なその瞳にちらりと苛立ちや怒りの色が滲んだように見えた気がした。

「キスくらいなら今この場でしてやってもいいけど、どうする?」

一歩、足を踏み出して距離を詰める。キスなんてただの接触行為なのだから、何か心を揺らす必要もない。

とっとと魔法を解いて、面倒な役から降りて、報酬だけ貰えればそれでいい。その後こいつがどうなろうが知ったことじゃない。

自分より少し高い位置にある端正な顔を見上げて、運命だなんて不確かで重たい言葉、本当にこいつはあると思っているのだろうかと緩やかに思考した。

(運命なんていうそんな不確かで曖昧なものが、確かなものであってほしいなんて、願うようになるなんて思わなかった。)

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不備や質問など、何かありましたらお気軽にメッセージまでお願いします。

22.07.02 キャプション更新

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2022-04-26 14:30:02 +0000