第六話「先輩は(超々)酔っ払い」福田と田中シリーズ

なわない

福田「轢(ひ)かれて死んだのは、俺かと思った」
 田中「はあ?」

 福田「今日の朝刊だ。読んでみろ!」
 田中「えーっと、16日未明、酔っ払ってバスの下に寝ていてた男性が動き出したそのバスに轢かれて死亡。現在、身元確認中。身長170センチ位、グレーのスーツ。痩せ型、短髪、酔っ払い」

 福田「なっなっ!ほらな、そっくりだろ俺と!今朝、それ読んだ瞬間、てっきり自分かと思ったよ!」

 田中「……」

 福田「恰好だってさ、170にグレーのスーツに痩せ型だぜ!』
 田中「……」

 福田「これで、足が臭いって書いてあれば、完璧、俺だもんなあ」
 田中「でも死んでたら、ここにはいないと思うんですけれど……」

 福田「だからびっくりしてるんだよ。な!わかる?すごいだろ!」
 田中「何がどうすごいんですか?」
 福田「もちろん、俺の運の良さだよ」
 田中「意味わかりません」

 福田「と言うわけで生きているお祝いに帰りにいっぱい行くか」
 田中「まだ、会社はじまったばかりなんですけれど……」

 ……まだ続く……

 福田「ほんと助かったぜ。俺、朝、起きたの公園のベンチだったもんな!バスの下じゃなかったもんな!」
 田中「…………(ホントこの人、よく今まで生きてこられたなと感心中)」

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2022-03-17 20:34:47 +0000