泉州巡検吏の娘“葉娘(ようじょう)”は父と死に別れてからは、義母によって蛇の皮の肩掛けを着せられ水仕事に追い使われる日々を送っていた。そんな葉娘の前に半人半馬で蝶の羽根を具えた箭踏国(せんとうこく)の姫が現れる。共に“はるしゃ国”の地下にある“てべれの国”へ赴く事になったが、前途は昏く魔障は絶えない。意気軒昂な箭踏国の姫“あぜんか御前 ”と観音の申し子である葉娘は、帝から託された“白露の玉”を無事地下王国に届ける事が出来るのか? 宋代に材に取ったありふれた観音利生譚だが、まったく流布した様子が残っていないので、後世の偽作だと推測される。
2010-03-27 16:50:57 +0000