よくないな、と冒険者は考えた。治癒符は使ってしまったし、血は止まらないのにまるで痛みを感じない。足元が滑るが多分立ち上がって戦えるだろうし、どうも楽しくて仕方ない。門から零れたという冥府の蝶がやけに目につくが、彼らが好意的でないことも、仇の死の気配を嗅ぎ付けて狂喜していることも冒険者にはよく解っていた。彼を後退させようとする賢い相棒を押しのけ、冒険者は立ち上がった。よくないな。楽しくて仕方ない。 ■ギデオン【illust/9575066】エステル【illust/8581634】アルフ【illust/9607557】蝶【illust/9578837】
2010-03-26 16:03:44 +0000