貴族のような恰好をしたロボとパイロットって良くないか!?と思って考えたキャラ達です。
イラスト+ぷちストーリーみたいな感じで。(最後の絵は最初に考えたキャラのイメージ絵。叩き台的な?)
剣と魔法と超科学が混在する世界の話です。
重厚な鎧を身に纏った10人の騎士部隊は目の前に現れた1人の青年によって殲滅されかけていた。その青年は、左手に握られた剣で9人の騎士をあっという間に倒してしまったのである。地面には騎士と馬の残骸が転がっている。彼らは他国を侵略するのが好きな王国の侵略兵共だった。最後に残った騎士団長の男が言った。
「我が精鋭部隊が・・・ありえない。貴様、人間ではないな!?」
「フン、それは心外だな。俺は人間だぜ・・・半分はな」
大きな羽根飾りのついた帽子をかぶっている銀髪の青年は言った。
「やはり、貴様が噂に聞く半機人か・・ならば!」
そう言うと騎士団長は自分が跨っている機械の馬を巨大化させた。みるみるうちに大きくなっていく馬は、搭乗者を体の内部に格納すると、人の姿に変形し、馬頭の騎士となった。
「貴様など踏みつぶしてくれる!」
「へぇ、“俺達”とやり合おうってのかい?おいで、ルディ」
青年がそう呟くと、岩陰に隠れていた1体の人型の機械が飛び出してきた。その姿は、青年の格好によく似ていた。
そしてそのルディと呼ばれた人型の機械も巨大化すると、手のひらで青年をすくい上げ、胸のコクピットへと格納した。
全長10mほどもある機械の巨人が向かい合う。彼らは機械人形(マシンドール)と呼ばれており、操縦者の脳波によってコントロールされるが、補助的にモーショントレースによる操作も受け付けている。さらに、VRゴーグルを装着することで見える映像は機械人形のカメラアイが見ているものそのままである。つまり機体と一心同体になったかのような動きが可能となるのだ。しかし青年にゴーグルは不要だった。半機人は機械人形から送られてくる映像データを直接目で見ることができるのだ。
2体の機械人形は同時に動き出す。すれ違いざま、ルディは相手の右腕を切り落とす。武器を握ったままの腕を拾い上げる暇もなく、馬頭の騎士は胸に剣を突き刺された。動力部分を破壊された騎士の胸からが火花が吹き出すのを見るとルディは身を翻して飛びのき、彼の背後で騎士はよろめきながら爆発四散したのだった。
「精鋭部隊の騎士団長という割にはたいしたことなかったね」
そうルディはつぶやいたが、聞こえてきたのは青年の声だ。機械人形は身体の動きだけでなく、顔の表情や声までがパイロットと連動するのである。
「ヴェスター様ほどの腕前があれば当然の結果でございます」
ルディは青年の脳に直接語りかけた。無線通信で機械人形と直接会話できるのは、青年が半機人であるが故だ。
そして彼は、騎士団の撃退を依頼した人物のいる城下町へと歩き出した。
2022-02-06 06:46:03 +0000