ゆうちゃんさん宅(user/8204976)のアベルさん(illust/81127070)を描かせていただきました。2枚目は背景&逆光なしバージョンです。
以下、描いている内に思いついたSS。もしそちらのキャラが違っていたら申し訳ありません(ペコリ
何時ものように時空を股にかけて暗殺家業を続けている内、今回のターゲットを始末するべく降り立った辺境の惑星で、偶然にも性別は違えど同じ名前・出自の個体に遭遇した2人のアベル。最初はどんな相手だろうと自らが掲げる「目撃者は消す」というヒットマンの鉄則の下どちらかが倒れるまで撃ち合いを繰り広げていましたが、まるで鏡を相手にしているようでさっぱり勝負がつきません。
やがて、お互い疲労で立っているのもやっとな様子を生来の意地でかき消してはいながらも肩で激しく息をしつつ、ふとどちらかが切り出しました。
「……ねぇアンタ」
「何よ?」
「このままじゃ共倒れになっちゃうわ…こんな所で無駄打ちしてないで、いっそのこと共同戦線でも張らない?」
この周辺はかなり冷え込む様で、アベル達の待機している地点からは時々くしゃみが聞こえます。
そんな中、先程の撃ち合いは勿論のこと、こんなに待ち伏せ時間が長引くとは思わず、上着持っていけば良かったかしら…とか、このまま風邪ひいたらどうしよう…そう思っている内、彼女(ゆうちゃんさん宅アベルさん)の左肩にほんのりと温かい感触が触れました。
「……何? まだやる気?」
「違うわよ、たまたま持ち込んでた眠気覚ましの珈琲が無事だったのよ。ちょっと温くなってるけど…アンタのくしゃみに気づかれてターゲットを逃がしちゃ困るの。これでも飲んで体を温めなさい」
「ふーん…それにしてはやたら顔真っ赤だけど…もしかして照れてる?」
「そ、それは寒さのせいよ!アンタだってお鼻赤いじゃないの!」
「あれぇ?さっきより赤面してるわよ?まんま茹でタッコングみたいで可愛いわね♥」
「~~~っ!」
彼女のねちっこい(?)揶揄いを、目線を逸らすことで密やかに抵抗しつつ珈琲を手渡すと、彼は「毒は入ってないからね」と付け足すと徐に缶を開け、その場で飲み干しました。
宇宙ヒットマン達による意地の張り合い合戦は、お目当てのターゲットが来るまでまだまだ続きそうです。
2022-01-26 07:45:55 +0000