「ミサキー…おいミサキー?
どうしたんだスマホ覗き込んでニヤニヤして?
オレにも見せろよ」
「あっ!ごごごめんツヨシくん!
何か用だった?」
「ん?ああ…オマエさ、昨日タカヒロと一緒に駅前のお祭りに来てなかったか?」
「えっ!?…うん、行ってたけどなんで?」
「たまたま見ちゃったんだよ二人が一緒にジャージ姿で歩いてるトコ。
でもタカヒロに聞いたら『知らない』の一点張りでよー。
なぁ、もしかしてお前ら付き合ってんのか?」
「あー…なるほどねー。
ううん、私たち小学生だもん付き合ってるわけじゃないわ。
二人共通の知り合いのお姉さんがイベント会社で働いててね、
たまに私たちもお手伝いに呼ばれるの。
昨日もその用事だったってだけよ」
「なーんだ、そっか。
じゃあタカヒロのやつなんで嘘なんかついたんだ?
あいつめ問い詰めてやる…!」
「ねぇ、ツヨシくん。
…ツヨシくんってガキ大将なのに〇〇キュア好きなんだね。
昨日駅前に居たのも〇〇キュアショーを観るためだったんだよね?」
「えっ!(ドキッ)
な…なななんでそのことを!」
「しかも押しキュアはカスタードちゃんでしょ。
グリーティングの時、ずっと張り付いていたもんね」
「お、おいやめてくれ!クラスのやつらに聞かれるだろ!
くっそー、周囲はずっと警戒してたのにいつの間に見られてたんだ…?」
「んー、私は男の子が〇〇キュア好きでもいいと思うけどなー、可愛いし。
でも自分が探られて嫌なことがあるならタカヒロの事だって放っておいてあげなよ。
私も黙っててあげるからさ」
「お、おう…しゃーねー分かったよ…
その代わり絶対に誰にも言うなよ、約束だかんな!」
(行っちゃったか…
ふー、待ち受け画面を見られずに済んで良かった。
だけどタカヒロにしろツヨシくんにしろ…
なんで男の子って〇〇キュア好きを隠そうとするんだろう?
〇〇キュア男子のほうが絶対に可愛いのに…)
2021-12-18 10:39:06 +0000