political manga

mizz

BLADE RUNNER Cut Back

資本主義社会の未来を描いた1982年の映画を見た。勿論その昔に見ている。その時の印象は単なるSFものでしかなかったのだが、改めて見ると、ブルジョワ階級の連中が、労働者なしに、いや勝手な労働者を想定して描くと、このようになるんだなと、極めて興味あるものとして、捉えることができた。環境破壊により人類の大半は宇宙の植民地に移住し、遺伝子工学によって製造された、人間同等の能力・知性を持つレプリカント(ロボット)を労働や戦闘に使っていた。まずは、この設定に改めて、産業革命時のイギリスが、巨大なるアメリカ大陸がなければ、その存在が無かったことを、宇宙植民地を得て、資本がさらなる拡大を図ったと想定した展開を見る。アメリカが産業革命の原材料と、販路を提供したことを改めて確認する。その現代版は、宇宙植民地であり、かつ宇宙の本拠である。そして奴隷がアメリカの原材料の生産には不可欠だった。その労働を担うのが、ロボットなのだ。それしか資本拡大の方程式がないからだ。そのまんまを、宇宙に拡大するしか、ブルジョワたちの未来もないからだ。労働ロボット レブリカントが、叛乱を起こす。レプリカント製造の本拠地が何故地球にあるかはともかく、彼らはその地球の製造元を攻撃した。そしてなんと製造元の社長秘書レイチェルもそのレプリカントだったのだ。脱走したレプリカントを抹殺する役割を与えられた警官、ブレード ランナーが、彼らを殺害廃棄する。何故レプリカントが叛乱を起こし、自分のデータを求め、その変更を迫るのか、そして製造元を、その下請け企業の技術者を襲うのかは、労働者には容易に理解しうるだろう。資本家も理解している。だから、資本家は、レプリカントの寿命を4年とし、支配下脱走を法によって、抹殺する。人間とレプリカントを峻別する技術も繊細を極める。それが資本家の偽装方法でもあるからだ。目の中に、製造番号が刻印されていることすら、公表しない。宇宙に投資し、宇宙で生産し、宇宙に販売し、資本主義社会を維持拡大しているが、この資本主義宇宙社会を成り立たせているものは、資本であり、資本による宇宙航路であり、資本による遺伝子工学であり、レブリカントである。資本家の発想矛盾の山河である。4年の寿命では、不変資本としても相当の過剰投資だったろう。

#Industrial Revolution#capitalism#労働者#robot#遺伝子工学#ブレード#ランナー#universe

2021-12-08 06:19:23 +0000