縮小してあると見づらいので、クリック推奨です…一応■……『耳から火を吹く鬼』の話を知っているだろうか。セントラルの童話に登場する餓鬼の一種で、一般的に言うトロルと似たようなポジションである。幼少期に誰もが一度は目にしたことがある創作上の化け物だが、このモデルがトライムスだということを知っている人は、意外に少ない。一般に竜人の一種だと認識されがちなトライムスだが、現代の研究では祖先を同じとする別種族という見方が強く、既存の竜人とは明確に一線を画す生物であると言われている。人間族と猿族の関係性に似るといえばわかりやすいだろうか。双頭の竜の突然変異種、古代の生物兵器の末裔など、今なお熱心な論議が行われている謎の多い彼らだが、身体的特徴として最も目に付くのは、側頭部に存在する耳のような発達した器官である。が、これは決して聴覚器官ではない。この器官は、彼らの本来の補食器官であり、つまりは口であった部分である。現在では、補食器官は彼らの第三の口(おそらくはエラが進化したモノ)が担っており、これら本来の第一、第二の口からそれらの機能は失われている。が、ただの飾りに退化しているかと言われれば、そうではない。彼らの祖先であった竜は攻撃性の強い種であり、口から魔導付加を施した息(いわゆるブレス)を吐き出す特性を持っていた、とされている。この特徴は末裔たる彼らにも受け継がれており、興奮状態に陥ると、第一、第二の口が開き、強力なブレスを吐き出し始める。このブレスは彼らの意思である程度のコントロールが可能であり、羽根のように周囲を循環させたり、腕や足に巻き付けるようにして打撃の威力を高めたりなど、様々な使い方がなされる。自由自在に姿を変える火炎や氷雪は先の行動が読みづらく、戦闘においてはかなりの力を発揮する…はずである。はず、というのは実際に彼らがこれらの行動、ないし予兆を見せたことがほとんどないためである。目立たないよう生きている彼らにとっては、このような機能はあってないに等しいものなのだろう……【セントラルのとある学者の日記より抜粋】■素材使わせて頂きましたillust/8491980
2010-03-19 10:38:55 +0000