大雪原にて意識を失ったルトは冒険者によって救助されていた。持ち物にあるハンターの紋章から身元が特定され、ルトが育った場所であるハンター育成施設「トラセア」に運ばれた。一週間後、ルトは目を覚ます。
「ルト!ルト!気が付いたのね!?」
目を覚ました時、ハンター仲間であるチェルカがいた。
「ここは……ぼくは助かったのか?」
自分が奇跡的に助かった事を察知するルト。
「全く、一時はどうなるかと思ったよ。まさかあのヘヴンに向かうなんてね」
グラッドであった。ルトは全ての出来事を話すと、チェルカとグラッドは衝撃を受ける。
「な……そんな事があったっていうの!?」
「何て事……あいつは本物の馬鹿だよ。息子を私に預けてまで……」
ガオの一件、そしてガオが伝えた言葉を全て話すと、チェルカがルトに掴み掛る。
「そんな話、誰が信じるっていうのよ!あんたが病気を抱えているなんて、そんな事……」
ルトは自分が病を抱えている上に二十年の命であるという事実が信じられないでいた。
「もう……これ以上心配かけるのはやめてよ」
チェルカは涙ながらに言うと、ルトは言葉を失っていた。
数日後、ルトは亡き父ガオへ想いを馳せる。自分の為にヘヴンに旅立ち、命を捨ててまで自分の幸せを願っていた事を。ルトは、そんな父の想いを忘れないと心から誓う。そして、精一杯生きていくと。
例え自分の命があと数年だとしても。
2021-10-27 14:00:08 +0000