さる10月1日をもって、上越新幹線から或る新幹線車両が定期運用を終えた
2階建て8両編成のE4系MAXである。2編成16両で運用する場合の座席定員は実に1634名となり、高速鉄道では世界一の乗客数を誇った車両である
先代モデルのE1系が12両固定編成だったのに対して、本形式は8両固定で2本を連結して運用できるものとした
これは老朽化した200系を置き換えるためで、福島で増解結する山形新幹線つばさとの運用を考慮したものでもあった
運用の幅が広く、通勤通学需要の拡大から結果としてE1系よりも長期にわたっておよそ3倍もの両数が製造されるに至った
しかしながら、大型車体から高速化は望めず、通勤通学需要も在来形式で賄える程度になったことからまずは東北新幹線から2012年に撤退
上越新幹線についても、E7系追加投入を待って2020年度末を目処に引退がアナウンスされた
ところが、2019年の夏、集中豪雨により千曲川が氾濫し、長野新幹線車両センターが水没。留置されていたE7系10本120両が浸水のために廃車となった。この10本という数は北陸新幹線運用のほぼ半数であり、これを賄うためにはE4置き換え用として製作されたE7を宛がうしかない事態となってしまった
これによって、E4系は当初予定よりも僅かながら生き永らえることになった
そして、2021年10月1日、越後湯沢発東京行Maxたにがわ416号の運行を最後に定期運用が終了したのだった
このE4系の引退を持って、1985年の東海道新幹線100系運用開始から始まった新幹線2階建て車両の運用もまた終止符を打った
2021-10-19 05:14:22 +0000