■「二軸車が行く!」ですか。「貨車じゃなくても…」とご親切なコメントがありましたが、逆に困ってしまいました。探せばあるのでしょうが、当地九州で言うと、二軸車はかなり古典的な車両の部類に入りますし、特に、現在のホームグラウンドである北九州市では、北方馬車鉄道などの例外を除いて、貨車以外の二軸車は見られなかったのではないかと思われます。で、結局、オーソドックスな貨車になりました。
■イラストは、筑豊炭田の全盛時代、9600型蒸気機関車が後補機を務める石炭列車です。筑豊、北九州の石炭車は、セラ1に代表される二軸車が多く、その緩急車もご他聞に漏れず二軸車でした。子供のころに見たこれらの二軸炭車たちの、まるで豆タンクみたいに可愛らしいスタイリングが大好きで、その昔、トミックスから五百円(!)で発売されていたセラ1をセフ1風に改造した記憶があります。■残念ながら、現役の蒸気機関車が牽引する豆タンクの列を見た記憶はありませんが、旧田川線の油須原付近ではD60や9600などが重連の上に後補機付で石炭満載のセラたちをエスコートして峠を登っていたということです。
■今回も「迫力、アップで流し撮り風」シリーズ、第三段です。蒸機のロッド類の動きを表現するのはとても苦労しました。少しでも雰囲気が伝わっていれば幸いです。また、九州の蒸機というと、藁灰で磨き上げて鈍い鉄色に光るボイラーが有名でしたが、イラストで表現するのはやはり難しい!勇壮な煙、湧き上がるドレン、生きている蒸機ってやはりすばらしいですね。■9600型に苦労しましたが、あくまでも主役はセフ1。足回りの二段リンクなどはこんなものでしょうか。ちゃんとスポークは回っているように表現しましたよ。
■初出:ネコパブリッシング社「レイルマガジン」誌2008年8月(#299)号
2010-03-13 13:34:19 +0000