技術的政策の分類図

Taira Hajime

技術と政策には、助け合うルートもありますが、
そのうち技術を助ける技術的政策は、
技術のどのルートを助けるかで、
3つに分けられます。

(1)社会工学的政策……共同対処ルート
主力(画期的)技術を助けるルートです。
環境保護や都市整備、防災・防犯政策において、
民間団体や市民の健全な技術利用を促すため、
防災団体支援や建築規則・ごみ出しルールなど、
社会工学的な組織・規制技術を用いる政策です。
名前の印象とは違い、社会工学の力を借りて、
実は大きな主力(画期的)技術の活用を助ける政策です。
豊かな工業社会では、大災害時に消防署だけでは手が足りず、
また皆でルールを守らないと街はごみであふれてしまいます。
便利な情報社会では、特殊詐欺対策に銀行の協力も必要です。
経済・社会活動を大きく変える主力技術の、
悪用・誤用・副作用を防ぎ、活用するため、
自らもまた広く経済・社会活動の中で共に働きます。

(2)|社会基盤《インフラ》政策……部分支援ルート
関連(周辺)技術を助けるルートです。
主力(中核)技術を物的資源に具現化する、
土木・電気・通信など関連(具現化)技術の健全性を保つため、
一般的な経済・社会活動からは得にくい部分の
支援を提供する政策です。
例えば、自動車や家電・パソコンなら民間市場が供給できますが、
公共施設や交通・|動力《エネルギー》・通信網など、
|社会基盤《インフラストラクチャー》の建設には公的な出資や調整が要るので、
そうした大規模な物的資源を整備する政策です。

(3)研究・開発政策……特別注文《カスタムメイド》ルート
研究・開発技術を助けるルートです。
科学・技術の研究・開発自体の効率性を高めるために、
利害を調整する政策です。
広い意味では経済・社会活動の一部ですが、
先行投資、情報管理、社会的影響への配慮などを要する、
研究・開発活動の特殊性に応じ、
いわば|特別注文《カスタムメイド》の支援を提供する政策です。
英国が産業革命、米国が情報革命に成功した大きな理由に、
民間組織も含めた研究・開発政策の努力があげられます。

もっとも、以上の分類は理論的なもので、
現実的には重なる部分もあります。
しかし、そうした重なりを考えるのも面白く、
さらなる政策の立案や連携に役立つと思います。

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2021-09-20 10:36:43 +0000