社会工学的技術の説明図

Taira Hajime

技術と政策には助け合うルートもありますが、
そのなかで政策を助ける社会工学的技術は、
政策のどのルートを助けるかで、
さらに3つに分けられます。

(1)組織・会計技術……共同対処ルート
経済・社会政策を助けるルートです。
公的保険政策を担う企業保険組織や、
産業政策の基礎にもなる財務諸表などの技術です。
大きな経済・社会活動に直接働きかけて健全性を保つ、
経済・社会政策を助けるために、
自らもまた広く経済・社会活動の中で共に働きます。
これにより、広くは民間組織の決定も含む、
政策による利害調整の生産性(効率性)を高めます。

(2)公教育・公衆衛生技術……部分支援ルート
人的資源政策を助けるルートです。
政策実現の必要条件たる人的資源を確保する、
教育・保健といった人的資源政策を助けるために、
一般の経済・社会活動からは得にくい部分の
支援を提供する技術です。
私的な教育や健康法と違って、
社会全体の教育や健康に関わる政策には、
より公共的な配慮や専門的な知見が必要です。
そこで、それらを含む公教育や公衆衛生の技術が、
教育・保健政策の実施を助けます。

(3)|企画支援技術《オペレーションズ・リサーチ》……|特別注文《カスタムメイド》ルート
行政管理政策を助けるルートです。
政策自身の健全性を保つ行政管理政策において、
行政活動の生産性(効率性)を高める技術です。
広い意味では経済・社会活動の一部とはいっても、
公共性や公的権限を持つという行政活動の特殊性に応じ、
いわば|特別注文《カスタムメイド》の支援を提供する技術です。
英国の対潜水艦戦や本土防空戦の中で生み出され、
発達したことで知られます。

もっとも、以上の分類は理論的なもので、
現実的には重なるところもあります。
しかし、そうした重なりを考えるのも面白く、
さらなる技術の開発や応用に役立つと思います。

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2021-09-20 10:31:59 +0000