「其れは単なる知識不足に過ぎぬっ。城内から一歩も外に出ず、出される物を食ってれば誰でも然う成る。利口か然うで無いかは知識では無く、知恵と人格じゃ。」・・・さて、みなもと太郎先生顕彰画とさせて戴きたく存じます。幕末を描くに際して関ヶ原合戦から始めると云う試みは実に素晴らしき哉。何故ならば幕末とて唐突に幕末と化した訳では無く、江戸時代の様々な事件や事変等の色々な出来事の積み重ねが在ってこそ、幕末へと至った次第にて御座います故にね。例えば今現在の政治不信の状況とて、いきなり何の前触れも無しに其の様に成ったと云う訳でも無く、此れ迄の数々の不正や汚職等の卑劣にして非道なる種々の不祥事の積み重ねが在ったからこそ、現状へと至って居る次第ですわな。寧ろ必然的な流れで、正当な帰結とすら云えよう。更に体制側は不祥事を引き起こせし議員や官僚達を大して咎める事もせずに例えば離党とか或いは訓告とかで誤魔化して、実質的にはノーペナルティーで済ませる。其れでいて、庶民に対しては何かと罰則だの科料だのを押し付けようと為される。浅ましき特権階級意識の発露よな。然様な有り様では上級国民達も図に乗るさ。やりたい放題ぜよ。時に悪事が発覚しても、まともに裁かれず、精々が優しく厳重注意される程度さ。いやはや書面で注意とかされた処で、黒山羊さんたら読まずに食べた♪てなもんよ。オマケに逮捕されてもボーナスを満額支給する等為される。全く咎める処か大盤振る舞いで、しかも批判されても合法的処置だとせせら笑う。自分達に都合よく作った法律を盾にして自慢げに嘯く。そんな態度を御取りに為られる方々に信頼が寄せられる筈も無かろうが、其れを自覚する能力が乏しい。其れ程に思い上がって居られると云う証左で在ろう。そんな風に思い上がったお調子者が支持される筈も無かろうが、其れにも気付か無い。いや気付け無いのさ。自覚が無いとは然うした事よ。無自覚に不正や汚職を為した者達を擁護する事を繰り返される訳だが、其れが失政や悪政を積み重ねて居ると云う事に成ると云う事を認識出来ない。然う云う機能が備わっていないのだね。例えば歴史上、暗君や暴君と呼ばれる人達がいらっしゃるが、然うした人達は大概、自分達を暗君や暴君だと自ら認識して居る事は稀少と云えるかも知れぬわ?まあ血統主義的思想や権威主義的思想に浸りきって居れば自分を客観視する事も不可能だろうてな。やれやれ。或いは自らの悪を充分に認識した上で悪政を布く輩とて永い歴史の内では皆無では有るまいが、現代のエリート気取りのお利口さん達はそんなレベルにも達して居らぬ小物が多いのも事実で在ろう。いや東照神君は悪辣な手法で大坂方を滅ぼしたが権現様には権現様なりの天下平定の志を有して居られ、其れは悪の美学とすら呼べるのかも知れぬ?故に東照大権現は狸親父と呼ばれる一方で英雄とも呼ばれる。此の辺りが現代の腑抜けた小物との圧倒的な差異で有る。然うだね、今現在、有力者と目される議員や官僚は形式的には存在すると云えなくもない。だが、そんな者共の殆どは数百年後の歴史で其の名が語られる事も無いだろう。だが家康公は数百年後も其の功績が何らかの形で讃えられるだろう。現代の小物達との決定的な差異よな。抑々現代の腑抜けた小物共には後世の人々から讃えられる様な功績も特段に無かろうよ。まあ有るのは功績では無く実績ですな。中味の無い上辺の数値だけの実績。例えば勤務実績とか在任期間とかの数値ですな。此れ等は実績で在って功績では無い。どんなに任期が長かろうとも、単に期間が長期なだけで何の手柄が有ると云うかね?逆に活躍した期間が短期間で在ろうとも、キラリと輝く手柄を挙げた者達は後世に語り継がれる。其れは歴史が証明して居る。まあ少なくとも後世の人々が、現代の腑抜けた小物達を主人公とした大河ドラマを制作するか、と云えば怪しいものだね。悪代官と其の手下共を主役に抜擢しても企画倒れが良いトコさ。まあ余っ程脚色すればギリギリ単発の番組位には成るかもね?でもね、神君の様な怒涛の物語には程遠い。まあ凄絶なる神君の生涯とは比較の対象にも成るまい。そりゃ甘やかされて育った世襲の坊ちゃん嬢ちゃんの歪んだエリート気取りな暮らし振りに上級国民と云う民族なら兎も角、純然たる一般庶民は取り立てて感銘を覚える事とて到底御座るまい。寧ろ自分達を苦しめた「民衆の敵」として心の奥底に深く刻み付けられようぞ。民衆の困窮を救済してこその名君で在ろうにな。ふと思わば9月3日金曜日に現総理が総裁選不出馬表明を為された。様々な経緯が有ったが確かな事は与党内の権力闘争の結果で在って、民衆側への配慮が動機では無かった件よ。所詮は総大将の器には非ずと云う事ですな。実際、例えば「長男とは別人格」発言等は信義に悖る。とてもじゃ無いが称賛す可き発言に非ず。ふと振り返らば現総理が世間一般に注目され出した出来事と云えば矢張り平成31年(2019)春の改元で令和おじさんと持て囃された件で在ろう。然れど今にして思えば此れが躓きの始まりだったのかも知れ無い。話に由れば此の刻、余りのフィーバー振りに前総理は焦ったと云う。何故ならば当時の前総理は前政調会長への禅譲とやらを目論んで居り、前官房長官が強力なライバルと成り得ると予見した為だと云われて居る。まあ過去の時点からは未来に該当する現在から見れば何とも滑稽な話ですら在るがね。其の年に開催された同期会とやらで前総理は次の総裁選不出馬を宣言して次は前政調会長だねとか何とか申されたとの事。其処で「私も居るわよ」とか何とか仰られてしゃしゃり出て来られたのが与党幹事長代行の御婦人で在った件は語り草と成って居る様です。そして同年7月の参議院選挙に於いて皆様御存じの通り、例の買収事件が発生して居りますが未だ発覚以前の段階ね。やがて同年9月11日には前総理の第4次再改造内閣とやらが発足する訳ですが此れ亦皆様御存じの通りに10月25日に香典事件で経済産業大臣が、更に10月31日には法務大臣が相次いで辞任される訳ですな。現時点では既に有罪が確定済みの此の者共が現総理の支持者だった件は周知の事実ですな。其処で前総理の小姓として有名だった首相秘書官とやらが官房長官時代の現総理を激しく非難し、更に副総理も此処ぞとばかりに乗っかって来て、現総理は失意のどん底に落とされたとの事です。其処で温かく現総理を励ましたのが与党幹事長で在ったと伝わって居ります。落ち込んだ時に優しくされたら、そりゃ嬉しいですよ。此の辺りの呼吸を読む事に長けていらっしゃる点が幹事長の叩き上げの真骨頂でしょうぞ。実際、既に幹事長と前総理には確執が有ったとの事です。此の時点に於いては前政調会長への禅譲を企んでいらっしゃった前総理は此の年の党役員人事で前政調会長を幹事長に起用して現幹事長を干そうと画策為された様です。処が其の策動を察知した幹事長は素早く対処して巻き返しを図り、見事に其の人事構想を撤回させるのに成功為さったとの事です。然う成れば必然的に幹事長の勢威は高まり、其の幹事長と連携した現総理が令和2年(2020)9月に天下を取るのも自明の理です。割を食ったのは「お公家」の前政調会長ですが前総理に裏切られ、梯子を外されたのは歴史的事実なのは確かですね。
2021-09-16 14:48:29 +0000