京劇 「華容道」 その3 張遼

ドク・ホリディ

張遼「丞相、わたくしが見るに、やって来る舟は罠です」
曹操「なんだと、なぜそう思う」
張遼「糧秣を積んだ舟ならば、かならず船足が重いはず。ですが、あの舟は足速きまま。
今宵ふたたび東風が起こり、その最中とは。これはきっと罠です」
曹操「おお。そちに命じる、やって来る舟を押し止めよ」
張遼「かしこまりました。ええい、そこに来る舟、前に向けて止まれ」
黄蓋「この矢を受けよ」

接近してくる黄蓋の舟の異変に気づく張遼。
弓を射かけてくる黄蓋に矢を射ち返して舟から落とすが、
時すでに遅し、大船団は火だるまと化す。
曹操の叫び声と同時に幕。

同じような装束の将軍が何人もいるが、
三国志演義では黄蓋を弓で射ったのは張遼なので、多分かれが張遼。
銀と青の涼しげな色合いは知勇兼備の英雄をあらわす。
赤い顔は忠義心の強い人物。

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2021-07-31 12:07:03 +0000