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こばひろ～トレイン＆ガールズ Vol.2～
ウチの朗らかなばーちゃんは音楽をこよなく愛する人で、決してロックを不良の音楽だなどとは言わなかったし、私が音楽の道へ進むのを誰より応援してくれた人だった。ばーちゃんは年に何度かこの古びたキャバレーに行っては、ダンサーたちの華やかな踊りの合間に出演する、駆け出しのバンドが演奏するのを観るのが楽しみだったそうだ。「ワタシはあの時から分かってたわよぉ、あの○○はいつか必ず売れるって・・・」と言っては、その昔そこで観た、後の大物たちの話をよくしてくれた。
ジョン・ロイス——私はジョニーと呼んでいる——が、テレビのライブイベントに私を呼んだ。その舞台は、例のあの古びたキャバレーだった。今もあったのか。
ハードロック界のベテランともあろうものがいくら知り合いだからって私を呼ばなくても、もっと他に適任がいただろうに、なんてことをジョニーに言ったら「ここで演奏するのに俺とお前さん以上の適任はいないのさ」と彼は彫りの深い顔に濃い皺をつくって、心なしか困ったように笑って答えた。きっと若い頃もこんな顔をして、私がよく知っているあの人の声援に応えていたのに違いない。
キャバレー通り“シュテルン”にて
//この1カ月半ほど創作のモチベーションが見事に停滞し、なかなか次の絵のアイデアも浮かびませんでしたが、やっと回復傾向になってきましたようです。(苦笑)
建物の雰囲気は、千日前の味園ユニバースをモデルに描きました。ちなみに「キャバレー」については、発祥の地・フランスと日本とではだいぶ性質が異なることを、調べて初めて知りましたが、ここでは本来の“パフォーマンスする舞台があるレストランやナイトクラブ”として描かせて頂いています。
2021-06-07 14:27:24 +0000