レッド・ウォー

ドルシャーク

その昔、一つの宇宙でコズモ・アーマゲドン(宇宙戦争)が起きていた。
超能力を駆使する巨人の一族、屈強な怪獣を操る怪獣使いたち、惑星を容易に消滅させる火力を誇る銀河連合の大艦隊、そして太古の昔から君臨する高次元の神々が、宇宙の覇権を巡って大混戦を繰り広げていた。

何百年も続いたこの戦争に、ある日突然乱入者が現れた。
白銀と真紅のボディを持つソイツは、どの勢力にも属さず、遭遇した者全てを殺戮の渦に飲み込んでいく。

やがて正体不明の乱入者を共通の敵と見なした全勢力は、一致団結して総攻撃を仕掛けた。
巨人たちの破壊光線が、怪獣たちの強靭な爪と牙が、大艦隊の砲撃が、神々の神通力が、幾重にも組み合わさって大津波のように乱入者へ押し寄せる。

だが、ソイツは死なない。どれだけ吹き飛ばされ、組み伏せられ、叩きつけられても立ち上がり、無尽蔵に生み出される凶刃を手に攻撃を捌きながら敵対者を突き倒し、殴り、蹴って刻んで、焼き払う。
24時間にも及ぶ大虐殺は星々を砕き、銀河を血に染めて…静寂が訪れた時、そこに立っていたのは乱入者ただ一人だけだった。

ソイツは自らの絶対的な正義に従い、戦争を終わらせたのだ。
巨人も、怪獣も、人も、機械も、そして神も…宇宙の全てを皆殺しにして。

その惨劇は他の宇宙にも知れ渡り、乱入者の名前をとって後々まで語り継がれることとなった。

読み切り作品の挿絵に使いました→【 novel/15659884

#Redman#セイギノミカタ

2021-06-06 05:55:01 +0000