瓶は魔法で蓋をする【illust/88603392】
✧ルゥルゥ✧指輪の精
✧161cm✧一人称:ルゥルゥ、自分✧二人称:ご主人さま
✧真珠の石がついた指輪の精です。願いを叶える反面、
魔法に頼らず月日をかけて作物を作れる人間のが凄いと思っており自分でも作ってみたくなった系。
基本はニコニコ糸目ですがたまに目開きます。
素敵なご縁をいただけました✧˖°
春名 清高さん(illust/89532685)
「ご開封おめでとうございます!私はこの指輪に宿る妖精、ルゥルゥです!お願いごとはありませんか?」
今回のご主人さまは、現代に生きる小説家だそうで、なんとも粋なお姿
さっそくお話を…と思いきやさすが小説家さま、怒涛の質問攻めにルゥルゥは頭が追いつきません
なんでもネタにお困りの様子のところ、ルゥルゥと出会ってしまった様で…
「え?洗濯物…ですか?ええっと…もちろんそれが心からのお願いごとであるのならルゥルゥは洗濯物を畳んでおきますけどぉ…その…も、もっと何かこう…大きな願いでも良いんですよ?ルゥルゥ本当に魔法使えますのでぇ…っ」
「あ…あのもしお願いごとが無いのであれば…ルゥルゥの望みを聞いてくれませんか?できればで良いんですが…じ、自分を人間にして頂きたいなぁなどと…アッ無理であればせめて…土地を!土地を貸して下さい!持ってますでしょうか…!?」
とってもマイペースなご主人さまからようやく聞き出せたのは、物語が完成するまで一緒にいる事、これがご主人さまのひとつめの願いごとでしょうか
「ご主人さまのお宅は立派なお庭があるんですね!ここならきっと…ルゥルゥの憧れである家庭菜園も上手くいきそうな気がします♡」
「アーーッ!何ですかこれは…虫食い穴!?ぬぅ…ご主人さま…上手くいきませんねぇ…食物を育てるのがこんなにも難しいとは。え?どうしてそんなに育てたいのか…ですか?はい!ルゥルゥはこれまで色んなご主人さまと時を共にしてきました、その為日々人間の営みに触れる機会も多かったんですが…畑を耕している人間や、市場に並んでいる食物を見て思ったんです…我々妖精に頼らずとも、人間は自ら何かを生み出す事が出来るのだと。これこそ人間が使える魔法じゃないですか。ですからルゥルゥも、その様な素晴らしい人間になってみたくなったんです。
そう言えば小説家であるご主人さまも種類は違えど生み出す力は同じなんですね。紡ぎ出す文はさながら魔法の様…やっぱり人間は素晴らしいです!ふむふむ…これは続きが気になりますね…こちらの妖精の方はこの後一体どうなって…アアッ取り上げないで下さい!くぅ…ルゥルゥ、その御本が発売されたら真っ先に買いに行きますから!…人間になってからですけど!!」
ご主人さま…清高さまと過ごす日々はあまりにも楽しく賑やかで、本来の望みを忘れそうになる程でした。
それでも自分はやっぱり人間になりたいと望んでしまうのです。
清高さまと同じ人間として、あの花の様に、土の様に、緑の様に
命として精一杯生きてみたいと。
きっといつか
清高さまが自分を人間にしてくださったとしても
清高さまがルゥルゥとの記憶を全て忘れてしまったとしても
あの時書いて下さった小説が形として残っているんですね
いつか、あの小説を持って 逢いに行っても 良いでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
2021-05-17 13:32:14 +0000