陸軍は大陸戦線で不時着期のP-51Cを鹵獲した。内地へ空輸すべく、修復を施し飛行可能状態とした。
途中、この機体の機密保持を狙った連合国の襲撃を受けながらも、広大な大陸を何度も給油しながら、無事
福生飛行場までの空輸に成功した。このP-51Cはファストバックであることから旧型と誤解されがちだが、最終型のP-51Dと同様のだ大馬力のマリーンエンジンを搭載した最新鋭機であった。福生の航空審査部では黒江少佐が元祖アグレッサーとなって、四式戦部隊を襲撃。戦技指導を行った。機体の稼働には高オクタン(オクタン価100程度と推される)が必要であったが、別途列車で輸送した。昭和20年初夏、オルタネータ(発電機・ダイナモの一種)を破損し、飛行不能となり、代替部品を探しているうちに終戦を迎えた。扱いに繊細さを求められる鹵獲機としては比較的、長寿命な機体であった。蛇足であるが、皮肉なことに譽エンジンを搭載した四式戦もオクタン価100の燃料を必要としたが、当時、補給線を分断され、燃料精製も極めて僅かしか供給できなかった(ゼロ戦のオクタン価は86と案外低い)情勢下にあり、充分なポテンシャルを発揮できた四式戦は皆無といっても良いかもしれない。ブログもよろしくお願いします。http://soranokakera.lekumo.biz/tesr/2021/04/post-5bca.html
2021-05-02 02:12:43 +0000