【PFMOH】知らぬ感情【大雪原】

十八番

激しい戦闘を終え、何日もヘヴンの頂きを目指し歩く、前までは辛うじて残っていた登山者達も更に少なくなっており、食事や暖を取るのも徐々に厳しいものになってきていた。

吹雪が強くなってきたある夜、デグ達はペコリーナが召喚したかまくらで夜を越す事にする。

簡易的に食事を終え、暖かな火が2人の疲弊した体を撫でるように照らす、静かにくつろぐデグを前にペコリーナがふとこの山に登る理由が父親の為であると話し始める。

「親か…」デグはペコリーナの話を聞きながらぼんやりと考え始めた。

デグは生まれて間も無い時に母親を病で亡くし父親によって育てられた。父は厳しくはあったが息子に自然で生きていく術をできる限り教えた。
口数少なく、技術以外のことをあまり話さなかった父親だが唯一
「この自然では生き残るものが正しい」と言っていたのを今でも闘いがある度にデグは思い出している。

そんな父親も狩りの途中に幼いデグを襲おうとしたモンスターの攻撃を庇い死んでいる。

幼いデグにとってはこの先の不安や自分の非力さでダメになってしまいそうだったが、亡くした父の言葉もあり「父親も生き残れなかった者」として割り切って気を紛らわすしか無かった。

「なんか違うこと考えてるでしょー?」
一人暗くなるデグにペコリーナがちょっかいをかける。

「明日、吹雪が止んだらまた登っていきましょっ!あたしはもう寝るよ、火は朝までちゃんと付いてるから番とかしなくてもいいからね。」
そういうとペコリーナは壁にもたれてふわりと寝てしまった。

しばらく無言でぼーっとする。
揺れる炎、はじめて見た時は樹海での火事で火は命を奪うことしか出来ないものだと思っていたが、今とはなっては見ているだけで気持ちが安らぐ…でも、今日は少し落ち着かない、しばらく炎を眺め、考えてみるがいまいちピンとこない。
こんなことを長々考えるのも無駄だし自分も寝ようと、壁の方に目をやるともたれかかっていたペコリーナが寝心地悪そうに横に倒れている。

「…」
少し気になってペコリーナを起こさないようゆっくり持ち上げる、柔らかく小さな身体、少しでも手に力を入れてるとすぐに壊れてしまいそうだ。
いつも背中に乗せて旅をしてきてた割にはあまり感じたことがなかったがこんなにか弱いのか。
「あぁ、こんな体で今まで戦って来たのか」
…知らない気持ち「守ってやりたい」という思いが混みあがてくる。

父親は「生き残るものが正しい」と言っていたが、「自分が正しいと思った人の為戦う」とも考えられる親父は強く正しかったんだと今だと思える。
ペコリーナを守るためにもその親父の正しさを貫く為にもデグは戦いで勝ち抜いて行かないといけない、と心に違うのだった…

山頂まであと少し、未知の食べ物の匂いも今は気にすることも無いだろう…

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キャプションが長くなっちまった!
強引なまとめにも見える…

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素敵なキャラクターをお借りしました。

守りたい
ペコリーナ【illust/87731965

#Pixiv fantasia MOH#【軌跡を辿る者たち】#【PT:ペコデグ】#大雪原

2021-04-08 14:56:53 +0000