大魔王デマオンはマントハグがお好き(旧版)

たくひと

Twitterのフォロワーからリクエストを受けて描いた大魔王デマオンの落書きを先日pixivにupしました。その際はリメイク版の大魔王デマオンという要望がありました。今回upするこの落書きは、リメイク版のデマオンを描いているうちに思いついってしまったものです。つまり2枚を同時進行で仕上げてました。さすがに疲れました......(笑)

それでは以下にSSを。ちなみに今回のSSの設定も前述のフォロワーさんからいただいたのを参考にしました。ただ身勝手な二次創作物らしさは今回のが強いと思います。完全にifの展開ですので。※誤字脱字あるかもしれません。

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魔界星に辿り着き、ついに大魔王デマオンと対峙したのび太達は銀のダーツをデマオンの弱点である左胸(心臓)目掛けて投げつける。しかし、投げたダーツにデマオンは物ともしなかった。

一同は当然戸惑うが、すぐさま次の打つ手を急いで考える。とはいえ有効である筈の手段が全く効かなかったというこの状況には動揺を隠しきれにったが、彼らがどうにか以下のような解決策を見出した。

デマオンの身体はあまりにも巨大すぎて、巨大すぎるからこんな小さなダーツを投げても心臓に届かなかったのではないかと。

ならば、心臓を貫けるように工夫すればよいと。

その解決策を実現するために取った方法が「スモールライトをデマオンに当てて人間サイズに縮小させ、ダーツが心臓に命中させるようにする」というものだった。

これが、いけなかった。

デマオンにスモールライトを当て、人間の身長でいうと2m程にまで縮小させたのび太達は先程のリベンジだと言わんばかりにダーツを勢いよく放った。ーーーだが結果は変わらなかった。

デマオンは高らかに邪悪な笑い声を挙げる中、渾身のつもりであった攻撃でさえも効かなかったがために、のび太達はパニック状態寸前にまで陥る。それでも美夜子は決死の想いで剣を片手にデマオンの胸部を狙った。

だが、デマオンは彼女の動きに余裕の表情を崩すことはなかった。

「ほう、単身で私に挑むか。だが、それも無駄だ。」

デマオンはマントを勢いよく翻し、その反動で美夜子は吹き飛ばされてしまった。体勢を崩して倒れた彼女を横目に、デマオンは辺りを見渡す。

「ふむ、身体が縮まったことでお前たちの姿がより見えるぞ。聊か周りの景色も新鮮に映ってみえる。この大きさでいるのも悪くはない。―――さて、ここまで辿り着いた勇者たちに褒美を与えるとしよう。」

デマオンは地面に横たわる美夜子の元へ歩み寄り、そのままバサッと彼女の身体をマントで包み込んだ。デマオンの行動はその場にいる誰にも予想できなかったものであり、美夜子は恐怖の表情を浮かべていた。

「恐れることはない。少し経てば痛みや悲しみからも解放される。――ーさぁ、ゆっくりしていってくれ。」

デマオンは余裕気且つ不気味な表情は保ちながらも、彼の放った言葉にはどこか優しさを帯びていた。

得体の知れないデマオンに恐れをなしていた美夜子も、大魔王のマントが妙なほど心地のよい暖かさであるために、徐々に眠気が襲いこむ。そのまま美夜子は瞼を閉ざしたのだった。

深い眠りに落ちた美夜子の身体の全てを完全にマントで包む。しばらくしてデマオンがマントを翻した時には、彼女の身体は消えていた。

「そ、そんな......美夜子さんに......何をしたんだ?!」

のび太達は怯えながら問いかけるが、デマオンの答えから真実を掴むことはできない。

「楽にしてやった。ただそれだけだ。あの小娘も今は全てから解き放たれ、安らかにしている事だろう。」

大切な仲間を1人失ったにもかかわらず、のび太達は大いなる敵に手も足も出せなかった。ある者は泣き叫び、ある者は絶望に打ちひしがれていた。中には正気を失い、取り乱しながらポケットを漁る者もいた。

デマオンは彼らを前にマントを大きく広げ、不気味な笑みを浮かべながら語りかける。

「さて、次に包まれたい者はどなたかな?」

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2021-04-05 09:32:42 +0000