サベール「これが闘いに敗れた者の末路ですぞ。クンタック王子ーーー」
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不気味な程に澱んだ空の下、クンタック王子はダブランダーの仕掛けた敵襲から逃れていた。何とか敵を振り切り崖の上まで逃れたが、そこにはサベール隊長が待ち構えていた。互いに剣を取り死闘を繰り広げるが、サベールの圧倒的な剣術によって追い込まれ、クンタックはついに体力の底を尽きてしまった。もはや剣を持つことすら出来ない程に消耗しきった彼を前に、サベールはなぜか己の剣を鞘に納めた。
その直後、サベールは息もつかぬ間にクンタックの背後に回り、自身のマントでクンタックを包み込んだ。
把握する間もなくマントに束縛されたクンタックは抜け出そうと抗うが、先程の闘いにより疲労しきった彼は、虚しくもただ声を荒げるしか術はなかった。
「なっ.....!?何のつもりだサベール隊長!!くっ......はっ......放せ......っ!!」
クンタックの言葉には物ともせず、サベールは邪悪な笑みを浮かべる。
「いくら抵抗しようが無駄なことーーーさぁ、クンタック王子。そろそろ"おやすみ"の時間ですぞーーー」
やがてクンタックは疲れにより言葉を発することもままらなくなり、そこにサベールが包んだマントの温もりによって睡魔が襲いだす。視界に映る澱んだ空はより澱んでいく。そのままクンタックは、マントに包まれる中、深い眠りに堕ちるのだったーーー
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サベール隊長とクンタック王子による謎構図の落書き(1枚目)が出来たので、"クンタックがあの闘いで崖から落ちることなく、そのまま敗北してしまったルート"という身勝手な2次創作ならではのif設定を付けました。ついでに稚拙ながら小説じみた文章も。
2枚目は、何となく気分で描いたサベール隊長です。1枚目のものとは関連性はない......ともいえるし、無理やり関連性を持たせることもできる、というか(どっちだ)。何はともあれ、せっかく描いてしまったのでオマケとしてアップロードしました。
2021-03-21 09:11:57 +0000