炉竜から逃げ切った冒険者達。直後、黒煙に覆われれていた空は嘘のように晴れ渡り、太陽が顔を出した。
山の天気は読めないものだ。それも、ヘヴンのような霊山となると猶更。
【illust/88591046】より
『ありがとう、小鳥さん。あなたの命の水のおかげで暑さを忘れられたわ。
お礼には足りないかもしれないけれど、ひとつお伽橋をきかせてあげる。
「太陽を取りに行く」 不可能という意味の慣用句だったかしら…。
それにまつわる物語』
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むかしむかし、それは変わり者の錬金術師がいたそうです。
その錬金術師は、永久に動き続ける永久機関を作ろうとしました。
皆は彼の挑戦を差して「まるで太陽を取りに行くようだ」と笑いましたが
彼は誰の声も耳にかさず、ひたすらその研究に打ち込みました。
しかし世に永久は存在せず、あらゆるものはいつかは朽ち果ててしまう。
生涯を費やしても、世の理を超えることはできません。
完成したそれは、物を食べぬとも動き続けましたが、
一見永久機関にも見えるそれは、霊薬が尽きれば止まってしまう、多少長持ちするだけの、玩具にすぎなかったのでした。
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なんだかあなたを見ていたら、このお話を思い出してね…と、白い魔女はニコリと笑う。
水飲み鳥はそれにこたえてパチパチと拍手をした。
おはなしは理解できていないようだが、どうやら満足したようだ。
夢魔はチラと水飲み鳥を見やった。
果たしてそれは御伽噺だったのか…はたまた…。
■お借りしました
白い魔女スロウベルさん【illust/87800460】
ハチさん【illust/88070072】
互いに思いやり、助け合い、頂上を目指す二つの命の炎。
イバラの飾りがまた熱を持った。
(よければ火の谷の遺跡の出口までご一緒しませんか・・・!!!)
不都合の場合はパラレル&スルーで
永久機関に非ず【illust/87733701】
ライフ♥♥♥
のこり◆◆◇
なにせ昔に作られたものだから。
長命の方や博識な方なら、この水飲み鳥のことを知っていかもしれません。
2021-03-21 06:56:04 +0000