〜朝がきた。
コンクリート製の基礎を朝日が照らしていく。
砲台はいつも通り止まったままだ。
飛行型の貨物船が接岸し、コンクリート基礎に四角く開いた穴からコンテナが次々と運び込まれていく。
接岸部に描かれた巨大企業のロゴは、雨風に晒されてすっかり黒ずんでいた。
海に面しているこの街は朝になると霧が張る。そのせいで下の方は視界不良だが、下から響く轟音が霧の中にも船がいる事を知らせている。
塩が多いせいだろうか。基礎に取付けられた排気口やパイプはすっかり錆び付いている。〜
2021-02-16 07:15:02 +0000