色鉛筆で描きました。用紙は、細目水彩用紙です。
*この絵は、修整版があります→こちらillust/113068707
【蔦と蔦でない蔦】へえ!知らなかった!という話、その1
この絵のレンガの塀にからまっているのは、蔦です。ブドウ科で、別名アマヅラ(甘葛)。砂糖というものが存在しない時代に、この樹液を採集して煮詰めて甘味料にしていたため甘葛という名があるらしく、『枕草子』に、かき氷のシロップとして登場するそうです。
「♪真っ赤だな、真っ赤だな、蔦の葉っぱが真っ赤だな」という歌がありますが、歌詞のとおり、蔦は美しく真っ赤に紅葉します。そして落葉、翌春芽吹いて4月下旬ころ若葉となります。
ところが、一年中濃緑色の葉っぱをびっしり広げている常緑の、蔦でない蔦があります。木蔦(キヅタ)(別名、フユヅタ冬蔦)です。私の家の近くの崖地ののり面を覆っていて、時々そこを通るので、これが蔦だと思い込み、絵にも描いていました。こちらはウコギ科で、ウド、ヤツデ、タラノキ、高麗人参などの仲間です。
蔦と木蔦は、葉っぱが似ていて遠目には区別しづらいいですが、近くで葉っぱを見ると、明らかに違い、蔦はブドウの仲間なんだと覚えておくと、すぐにわかると思います。
ほかにアイビーivy(セイヨウキヅタ:ウコギ科で常緑)とか、オカメヅタ(ウコギ科で、カナリー諸島原産の観葉植物)もあって、混同しがちですが、蔦はブドウ科で、紅葉、落葉、芽吹き、若葉、新緑、深緑の季節があり、その他はすべてウコギ科で、常緑です。
【レンガの積み方、イギリス式とフランス式】へえ!知らなかった!という話、その2
レンガの準的なサイズは、短辺10cm×長辺21cm×高さ6cmで、ここでは仮に21×6cmの面を側面と呼び、10×6cmの面を小口面と呼ぶことにします。
私は、レンガの積み方は、側面を正面に向けて半分ずつずらしてかみ合わせてゆくものだとばかり思っていました。その積み方だと、塀(壁)の厚さは10cmです。庭の花壇の低い囲いのようなものならそれでいいと思いますが、塀ならすぐに倒れてしまいそうです。
この絵に描いたイギリス式の積み方は、側面を正面に向けて前後(手前と奥)に2本並べて1段積み、2段目は、小口面を正面に向けて並べます。なので、塀(または壁)の厚さは、21cmになります。10cm+10cm+目地分1cmで21cmなので、前後方向と左右方向に、ぴったりかみ合います。
この積み方を基本として、1段おきの側面の位置を半分ずらして積むのはオランダ式です。
フランス式は、1段に、側面(前後に2個)と小口面を交互に並べていきます。これも厚さは21cm。
『3びきのこぶた』の「石の家」というのは、このくらいの厚さの壁をイメージすべきだったんだろうな、と思います(私はもっと薄っぺらな壁しかイメージできませんでした)。
2021-02-12 18:50:03 +0000