剣は真っ二つに

すべては姉妹の計画通りに進んでいるはずだった。だが、脱出路への道筋が見えたとき、ありえない事態がルイーズを襲った。突然、激しい金属音が彼女の剣に響く。手にする剣を見ると、なんと真っ二つに折れてしまっている。経験したことのない事態に困惑するルイーズ。もちろん剣の手入れを欠かしたことはない。これぐらいの使用で折れるはずはなかった。それでなくてもルイーズは、相手の攻撃を受ける回数が少ないのだ。攻撃で剣が折れてしまうことなど考えられなかった。原因はわからない。ただ、待ち伏せの失敗を覚悟していたドルチにとって、千載一遇の機会が巡ってきたことだけは確かだった。