ルイーズの足首に、巨大な鉄球が装着されてしまった。それを投げつけたのは、武芸大会で彼女によって屈辱のどん底へと突き落とされたドルチだった。「俺の見立てがあっていれば、お前の戦闘能力はこれで半減するはずだ。あのときのようにな」動きが止まったルイーズのまわりに、ジリジリとオーク兵がにじり寄っていく。だがドルチは警戒を解かなかった。「まだ油断するんじゃないぞ。この女、動きを封じられても侮れんぞ」武芸大会での苦い記憶がドルチの思考をより慎重にする。だが、戦闘態勢に入ったオーク兵はすでに興奮状態にある。しびれを切らした彼らは、ルイーズに一気に襲いかかった。
2021-01-11 10:17:57 +0000