【ポラリス】キトカ【第4期】

れいに@鈍足
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素敵企画様に4期からの新規家系をお邪魔させていただきます。
企画元様:ポラリスの英雄歌【illust/80979654

「嘘を吐けないことが“清い”ことなんて、ご先祖様方は随分と“正直者”の“善人”だったみたい。
 私?私は…そうね。あなたの目にどう映るかに委ねるわ」

◇Profile
名   前:キトカ
所 属 国:白雨国
総ポイント:20pt(精:10/攻:0/技:0/魔:10/運:0/計20)
運 命 数:【 5 】

17歳/女/160cm/一人称:私/二人称:あなた、きみ、~さん

◇素敵なご縁を結んでいただきました…!(2020.12.13)
♥️アンデクスさん
illust/85753715】(翠才国)(アンデクスさん)


 翠の国のとある街の片隅。癒しを求める誰かの声。それを助ける白銀のウタ。
 いつも通り“生活のため”に謳っていた私の声に、誘われた「黒」い羽根の青年が一人。
 どうやら、耳慣れない響きの私のウタに興味を持ったらしい。
治癒師であることや謳うことが治療の一環といった当たり障りのない部分だけを話せば、更に詳しく話をと問いを重ねられた。

「…初めて会ったひとに必要以上の素性を明かすほど、世間知らずじゃないの。まずはあなたがどんなひとなのか知りたいわ?」
「あなた、“図書館”の人なの?過去に“図書館”を滞在場所として利用したことはないけど…。
 話をするだけで泊めてくれるって言うなら、お言葉に甘えようかな」

素性を尋ねれば、彼はなるほどという一言で私の意思を汲み、「図書館」で本に携わる仕事をしていることや自身の能力について惜しげもなく明かした。
表情は全くと言っていいほど動かないのに、こちらへの興味と好奇心を漂わせつつも 不思議と不快さは感じさせない穏やかな声がやけに印象的で。
その声にどんな能力があるのか、彼の「図書館」がどんな場所なのか少しだけ興味が沸いた。

「先に改めて断っておくけど、私は嘘が吐けないから。
 ――もし不快にさせることがあったら、ごめんなさい」

嘘を吐けない。思っていないことは言えない。
本心を語らず誤魔化すことはできても、それが通じる相手ばかりではないから、予防線を張ったつもりだった。
――それなのに。

「どうしてって…。いえ、良いわ。あなたが不快にならないなら」

 至って真面目なトーンで返された予想外の反応に面食らいつつも、ああ彼は信用していいひとなんだろう、と、確信したのは多分この時だった。

*

「もうこの辺りでは一通り謳ったもの。
 治癒の需要が無ければ生活できないし、そうなったら場所を移す他ないでしょ?旅の治癒師なんてそんなものよ」
「これ、あなたの声から出来た結晶?…くれるの?守護の力がある宝石…って、これがあれば睡眠を削らなくて済むってことじゃない。ありがとう、すごく助かるわ!」
「少し自分の話をしただけの私に、無償で部屋を貸して餞別までくれるなんて。
 …あなたの方がよほど清いひとなんじゃないかって思うわ」

初めに彼の“交渉”に頷いたのは、一時の“条件の良い宿の代わり”として丁度いいと思ったから。
一度発ってしまえば再び訪れることはない、そのつもりだったのに。

「…もしまた近くに来ることがあったら、また利用させてもらえる?」

 いざ「図書館」を発つときに口をついて出たのは、そんな言葉だった。

⇒続き【novel/14345261

***

◇種族
白銀の造花たち(しろがねのはなたち)
その昔、万病を癒す力を持つ白金の花の化身から加護を授かったとされる種族。
決して嘘を吐かず、どこまでも清く、正しい心を持ち続けることで他者を癒す力を得たとされている。
かつての白金の花の化身との誓約により、10歳を迎えると喉元に誓約痕という誡めを入れられる。
その誓約痕の誡めによって、全ての白銀の造花たちは決して嘘を吐くことができない。(言葉を濁す、曖昧にはぐらかすことは可能)
誡めを入れないと魔力を代謝しきれなくなり 魔力の過剰蓄積による負荷で結局永くは生きられないため、一族の血を引く者の中でも純血の者はほぼ例外なく誓約痕を入れる決まり。
我欲に溺れ故意に誡めを破り続ければいずれその声を失うとされているが、言葉の真偽の多くが本人の意識や知識に依存するため、誡めの強制力には個体差がある。
また、一族の者はそのほとんどが白銀の髪を持って生まれ、清さや正しい心を忘れた者の髪には染みが落ち色が濁る。…とされているが、過去にそういった個体が確認された例は今のところなく、真偽の程は不明。

あくまでも誓約により疑似的に“白金の花”に近づいただけの紛い物。
他者を癒すため己に課した献身さえ、清さを失えばたちまちに枯れ落ちる、憐れな造花たち。


◇skill
【白銀のウタ】
自身の魔力を喉元の誓約痕を介して治癒力に変換し、それを込めて謳うことで他者の怪我や病をある程度癒すことができる。
致命傷や不治の病を完治させることや呪いを祓うことはできず、治癒を施す相手が謳う音を認識できない場合は無効。また、自分自身の怪我や病を癒すこともできない。
【清き誡め】
喉元の誓約痕による誡め。
何人の前でも、如何なる理由があろうとも、決して偽りを述べることは赦されない。
【代償交換】
キトカが独学で編み出した魔術。自身の行動や言動、五感及び感情に一定の制限をかける代償に、自身或いは他者の任意の能力の一部を増大させる。

◆背景・デザインの一部に素材をお借りしています。
illust/24907721

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2020-12-09 19:17:20 +0000