■東京成国急行電鉄51000形
1980年代前半に帝都急行電鉄は”首都圏からこの国の交通を成長させる”という想いを込めて「東京成国急行電鉄」という名称に変更した。こうしてセラコム前身企業、通称”成急”が誕生する。
50000形をはじめとした多くの形式を有し、関東随一の大手私鉄として名を馳せていた。
1988年、後継である60000形特急電車が登場すると、50000形は徐々に活躍の場を失ってゆく。
95年末ごろには波動用として3本が残留するにとどまり、定期運転は行われていなかった。
そんな中、96年に転機が訪れる。
それまでも50000形を用いて運転されていた首都圏の集約臨列車を定期車両と切り分けることになり、この専用編成として6連3本の50000形が一部電装解除の上8連2本の組成に再編され、51000形として再起することになった。
本形式は修学旅行列車の名称から通称「めぶき」編成と命名され、カラーリングは元のえんじ色からコーポレートカラーのノルディックディープブルーとスカイブルーのツートンカラーに改められ、扉部と先頭部には楽しげな十字光のラッピングが施された。
正面の大型愛称板は方向幕に改められ、先頭部側面にあった機器搬入口兼、乗務員室冷房装置を小型化することによって廃止し、腐食防止を図っている。
また、簡易ビュッフェ車だったモハ50500はこれを撤去し、扉割りはそのままに座席化された。
なお、修学旅行に特化した作りとして全席がお見合い式で固定され、この影響で一部座席の撤去・増設が行われている。
本形式は2007年に役目を終えるまで活躍を続け、予備中間車を含めた8両を残して廃車となった。
このうち4両に関しては解体を免れ、セラコムに以降した2010年ごろにレストアを実施。
現在はセラコム博物館の動態保存車として、登場時の姿に戻されている。
2020-12-07 15:00:11 +0000