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「面白みのない答えだったな。赤の方はどうなんだ?」
何の気なしに今度は白は赤に聞いてみる。
「私ですか?」
小首を傾げて考えるそぶりをみせると、赤の顔が突然ぼっと真っ赤に染まった。
えっ、その反応はどういうことだ!?
「いいいいいいいいいいま、いません!いませんでしたよ!?ええ!!!いません!!!!」
早口で否定するとものすごい勢いでタピオカミルクティーをかき混ぜる。あまりの勢いに少しばかりテーブルに溢れてしまっているが焦る赤は全く気がつかない。
……そうか、彼氏がいたのか。
「いや、赤もそういう年頃だ。男子と手をつないだりデートしたりするくらいなら決してやましいことじゃ」
「やましいことーーーーーー!!!??」
必死に動揺を隠して発した白の言葉を赤の裏返った声がかき消す。
いくつもの視線が奇妙な盛り上がりを見せる白と赤へ向けられる。周りの注目を集めいつ店員から注意されてもおかしくない状況、しかし白も赤もそれどころではなかった。
「やややましくは、いえ、だいぶけしからんことは何度もしてましたが……じゃなくて!か、彼氏もいませんでしたしやましいこともしていません!」
プルプルと震えカップを持ちながらなんとも言えない表情で断言し白を見つめる赤。
そんな赤の様子を白は呆然と見ていた。
やましいを通り越してけしからんまでいくような……もう赤はあんなことやそんなことを色々知っているんだな……。
挙動不審にいませんですよ!と全力否定するくらいに、けしからんことをしまくった彼氏がいたのか。
お前にあれこれ教え込んだ男は一体どんな奴だったんだ!?と問い詰めたい気持ちでいっぱいになりつつも、理性を全力で働かせ白は平静を保とうとする。
こちらが一方的に惚れているだけで白は赤の彼氏でもなんでもない。根掘り葉掘り聞こうものなら狭量な男どころかとても気持ち悪い男と認識されてしまう。それだけは絶対に避けたい。
「そうか」と赤の言葉を肯定し先程詰まっていた計算式への話題へと変える。二人揃ってギクシャクとしながら勉強会を再開した。
今の赤に付き合っている男がいないというのは間違いない。けれど「付き合ったことはありませんよ」と何気なく返してくるだろう、根拠もなくそう思い込んでいた。
白が勝手に赤と付き合っていた男に嫉妬しているだけ、赤の過去を変えることはできないしそもそも言及するような筋合いなど全く無いのだ。
人を好きになるとここまで欲が深くなるものなのか。それとも赤が相手だからこうなってしまうのか。
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字書きスキル0の絵描きが無理をして小説を書いたら悪戦苦闘しています(ラノベのタイトル感覚でお読みください)。
個人誌漫画白赤が体内での命を終えて人間に転生した小説を書いています。白赤アフターストーリーです。上記のような描写がありますが、トラブルがあったりするも恋愛は徹頭徹尾白赤です。赤ちゃんの白さんへの貞操を信じていただければ!
どこまで書けるかわからないのですがぼちぼち進めていきます。完成させたい……(^_^;)
2020-12-05 22:12:14 +0000