ズールがふたりに話す。「夜間の外出は禁止のはずです。ディアナ殿には黙っておいてあげますから、早く帰るのです」「申し訳ございません。そうします。それにしても、ズールさんはこちらでなにを?」クロエが応えた。「このあたりを見回るのも私の仕事でしてな。あなたたちのような孤児も、ここにはたくさんいますからね。さあ、私は見回りを続けます。おとなしく帰るのですぞ」ズールはふたりにそう挨拶すると、奴隷区の奥へと消えていった。
2020-11-28 18:44:15 +0000