こちらの素敵な企画さま【illust/85190055】に参加させて頂きます。
■リスト
身長183cmのオス。
気紛れで縛られる事を嫌う一方、寂しがりで孤独を怖がる。
その日も一人に耐えきれず、棺の蓋を開けてしまう。
一人称 私
二人称 貴方、君
■素敵なご縁に恵まれました。
✳︎カリスタさん【illust/85965975】
ただただ棺を運ぶ毎日。同じ事の繰り返し。
誰とも会話をする事もなく。する相手もいない。
縛られる事を嫌い、一人を好んでいた筈なのに、
何故だか常に頭の中には孤独の二文字が浮かんでいた。
少し体を休める。ふとこれから運び出す予定の棺に視線を落とした。
(棺の蓋は決して開けてはいけない)
心と脳に深く刻まれたルール。分かっている…。
(でも寂しいのだろう?)
五月蝿い。黙ってくれ。
(棺を落としてしまえ。拍子に蓋があくぞ。それは事故だ。お前のせいじゃない。)
…………。そんな事…。だけど。
この先もずっと、永遠に独り。漠然とした不安が全身を巡り心を蝕む。
気が付くと蓋に手を掛けていた。
…いけない。駄目だやめてくれ…。
それは魔が差したでは済まない行為。
…棺の主が目を覚ます。と同時に彼女の頬に自分の涙が一粒落ちたのを見た。
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「あぁ…。すまない…すまない。どうして、こんな…。」
「…私はリスト。……貴方は…いや、忘れてくれて良いよ…。」
「あの、カリスタ…。全て私がやるから、貴方は此処にいて欲しい。」
「カリスタ、家から余り離れては……なんでもない。気をつけるんだよ。」
2020-11-27 14:47:36 +0000