【企画目録】黒き棺の行方【申請企画】【illust/85190055】こちらの素敵企画に参加させていただきます。
■Σ(シグマ)男型 外見年齢/20歳〜25歳 179㎝
一人称:僕 二人称:君(名前を覚える気がない/親しく?なればあるいは…)
愛想はいいが淡白な性格の渡し守。
異能として自身が所持している赤い表紙の本には、棺内の人間の人生が文字列化される。
それを読みながら棺を運んでおり、運び終わると本は白紙に戻る。
読めるから読んでいるだけであり、さして興味はない。
★素敵なご縁をいただきました!
モナさん【illust/85996532】
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僕を見て混乱している彼女はひどく小さく。
瞳がかちりと交わった瞬間、あぁこれはひどく面倒なことになりそうだとぼんやり頭の片隅で思った。
そういえば、開けてはいけない箱を開けた場合…中のモノは半端になってしまうんだったか。
棺を運ぶ際に少し開いていた蓋をそのままに、馬に引かせていたところ、視界の端で動いたソレ。
刷り込まれた本能の鱗片を手繰り寄せながら僕は彼女に笑ってみせた。
「こんばんは。良い夜だね。」と。
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「?…あぁこの本か…君の名前と同じタイトルだから気になったんだね。これは君が生まれてから死ぬまでの一生が記されている、棺を運んでいる間の暇つぶし、かな」(次の箱を運ぶときにはどうせ上書きされてしまうんだけどね)
「Σと他の渡し守からは呼ばれている。覚えなくとも構わないよ、僕も君の名前を覚えないだろうから」
「責任?結婚?…君は随分と可笑しなことを言うんだね。僕には何一つ関係がないことだよ」
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「今日は何のままごとを始めるつもりだい?」
「他にも君のような成らざるモノはいるから、そちらに行っておいで。今日は渡し守の仕事があるから」
「君も飽きないね、僕は人型をとってはいるが、異形のモノだ。君はそれを分かっているだろうに…そこまで執着するのは僕には理解ができないよ」
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暖炉のそばで眠る彼女の頬にかかった髪を指で払ってやれば、小さな寝言が溢れる。
「何も僕に拘る必要はないだろう、本当に、不思議な子だね…」
僕の服を握って離さない手に目をやって、ひとつ息を吐いた。いくらぞんざいな対応を取ろうともめげない小さな存在。
そういえば彼女の名をまだ呼んだことがなかった。必要になったら呼んでやることがあるのだろうか…それはどんな時か。思考することは嫌いではないが、答えがないものを重巡する必要もない。
何故か彼女の物語だけが上書きされない本を開いて音にならない名前を口の中で転がした。
薪がはぜる音とページをめくる音、傍らの熱を感じながら、これも悪くはないと僕は確かに思っていた。
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◆申請交流について
お相手様に指定はありません。相性重視で良いご縁があれば大切にしていきたいと思います。
ありがたくもお声がけいただいた場合、即日~3日以内に返信させていただきますが、それ以上経っている場合は、お手数ですが再送していただければ幸いです。
関係性については、犬猿、仕事仲間、知人など…既知関係・背景等、本企画内であればご自由にどうぞ!
交流はまったり。ピクシブでのイラストがメインになります。
気長にお互い楽しくお付き合いできればいいなぁと。
よろしくお願いします。
2020-11-23 15:21:52 +0000