EMU艦隊から少し離れた宙間区域
『という訳で拙者達友達になったのでござるよ』
『ねー』
事情を話する鋼丸と相槌を打つヴァイパーに対し全員の反応は別れていた。
『すごいね、鋼丸くんもうお友達作ったんだ』
『鋼丸...おまえな...』
『ヴァイパー...何を考えてるでございますか...』
『(そうかぁ、あの娘友達できたんだ)』
微笑ましく笑みを零すフェンリア、思わぬ展開に頭を掻くイサムの防衛の面々。
そして頭を抱えるルイゾンと心の中で喜ぶミルーナの侵略の面々。
『あー...これどう報告したもんかなー....』
シートにもたれ天を仰ぎ、どう報告するべきか考える。常に戦場で大暴れするというのは十八番ではあるが
逆に口八丁でのらりくらりと躱すのは直線番長のイサムにとっては苦手分野だ。
かと言って鋼丸の気持ちを踏みにじるような事だけはしたくないと思っている。
理由は彼自身が『仲良くなった仲間は大事にしろ』と鋼丸にもそう教えているからだ。
民間特機協同組合には10代程の子供も多く、それ故少年・少女達と触れ合う事も必然的に多くなる。
そして特にイサムはその中で多い方だ。搭乗機のレボルガイの存在が大きいのも理由の一つだろう。
『(...アサヒに投げたらアイツ絶対キレるよなー...しょうがねぇ...)』
とりあえず後で考えようとシートから体を起こした直後
『フェンリア、何を笑ってるの?』
冷たく鋭い声、思わぬ事にフェンリアは体をビクンと震わせてしまった。
『フェンリア、貴方は何をしにここに来たの?遊びに来たわけじゃないでしょ?』
ヴァイスヴィアの鋭く厳しい声がフェンリアに刺さる。
可愛いフェンリアにこんな事を言うのは辛い。でも私は騎士団長として防衛側として言わなくてはいけない。そう、今もなおヘルヘイムの照準はカイロ基地に向けられているのだから。そして時間もそう残されてもいないのだから。
心を殺し団長として言うべき事を言うそれだけ。ヴァイスヴィアはそう心を冷たい刃のようにし。
息を吸ってそして口を開き団長として言葉を放つ。
『ヤベェ、今のフェンリア、マジで可愛いクンカクンカしたい』
(私達騎士団の使命は人々の災いとなる敵を討つ事だ)
『私の『フェンリア』フォルダに保存したい』
(侵略軍と親睦を深める為ではない。)
『....んっ?』
ふとヴァイスヴィアは自分が言った事に違和感を感じて数秒ー...徐々に焦りが滲み出していく。
そして無意識の内に『鼻から妹愛』を漏らしてしまっていたようだ。
『(wwwwwwww!!!ナニを言ってるんだ私は!!?!?!)』
『...お姉ちゃん、フォルダって何?何を保存しているの?』
『お...俺何か変な事聞いたか?』
『(あーこいつ...ヤバい奴だったかー...)』
突然の展開に動揺するイサム、もはや悟った顔で天を仰ぐルイゾン
『OKフェンリア?まずレイルキャリバーを向けるのはやめて。そのウサミちゃんみたいな眼で私を見るのはやめて?』
『.....』
あまりの状況に口を挟めそうにない面々、直後凄まじく大きな闘気、圧の存在に思わずその方向へ全員振り返る。
『アサヒの言った異世界征伐軍の敵機か!!』
レーダーに映る光点の方向にレボルガイを振り向かせる。
『翔一...』
『ああっ...あれが魔王『サタン=ブラックローズ』か』
『フッ...』
己の威容を存分に広げながら魔王は悠々と向かっていた。『龍』を己の手に入れる為に...。
お借りしました。
イサムさんillust/81241114
フェンリアさんillust/81455586
ヴァイスヴィアさんillust/81826900
鋼丸さんillust/81241498
ヴァイパーさんillust/81800309
ルイゾンさんillust/81897610
ミルーナさんillust/82481980
おっとーつい本音と間違えてしまいましたー(すっとぼけ)。
ぼちぼち次の案を考えようと思います。
何かおかしい所があればご報告ください。
ご都合よろしくないところがありましたらパラレル、スルー扱いしてください。
また、何か問題がありましたらコメントかpixivメッセージからご指摘お願いします。
2020-10-25 04:40:52 +0000