虚空を蝕む正義

ドルシャーク

球状に戻り、宙へ浮かんで活動を停止していたグリーザが突如として異常な振動を始めた。
狂気に満ちた笑い声に混じって、叩きつけ、切り裂くような音が微かに聞こえてくる。
その音は次第に大きくなっていき、やがて硝子を砕くような破壊音と共に歪を突き破り、つい先ほど我々の目の前から消えたはずの赤い腕が飛び出してきた。

グリーザの笑い声がか細くなり、破壊音に飲まれるかのように消えていく。
何ということだろう。宇宙の全存在が恐れるはずの「虚無」でさえ、アイツの「正義」を消すことはできなかった。
混ざるものなど存在しない、あまりにも巨大で純粋な信念だけで、宇宙の穴を塗り潰したのだ。

アイツはAIBに第一級の危険人物としてマークされ、その足取りを追われ続けている。
だがきっと、誰もその正義を邪魔することはできないだろう。
例え星々を貪り食う魔獣でも、宇宙の不条理を司る怪物でも、異次元の支配者であっても…あの真っ赤に染まった正義を消し去ることはできないのだ。

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2020-10-09 14:41:06 +0000